トイレの神様。
「トイレの神様」の歌ではありませんが、昔からトイレをきれいにしておくといいことがあると言われていますよね。
それはトイレの神様が本当にいると言いたいわけではありません。
家の中の汚れやすい場所をきれいにしておくことで、人の心も浄化し、その人の生活に良い影響を与えるということを知るべきなのです。
西武の菊池雄星選手が高校時代、誰よりも早く登校し自主的に毎日トイレ掃除に勤めていた話は有名です。
本人の話では、トイレ掃除を毎日のルーティーンとし自分の調子を整えるためにやっていたとのこと。
結果それが成績につながり現在の活躍に至ったのではないでしょうか。
生活の中で誰もが毎日使うトイレ。
慎重な計画が必要だということは、なんとなく理解できますよね。
今回はトイレの計画について、理想的な考え方をお伝えしていきたい。
ここからの話はトイレ愛の強い私の主観が中心となってしまうかもしれないことを最初にお詫びしておきます。
トイレは癒しの空間である。
私はトイレが大好きである。
理由は説明がとても難しいのですが、なんとも居心地がいいからです。
もう少し詳しく説明するのであれば、家の中であってもしっかりプライベートが確保されているその空間で、時間を自由に使う権利を与えられているから。
と言えば分かっていただけるでしょうか。
用を足すだけの部屋ではなく、ゆっくり座って本を読んだり、スマホを見たりできる。
究極の癒しの空間であるといっても過言ではない。
とにかく家を建てるのであれば、トイレの計画をないがしろにしてしまってはもったいないのです。
皆さんなりに適切にアプローチして理想のトイレに仕上げていきましょう。
一家に二台設置が主流。
贅沢な話かもしれませんが、現在は二階建てのお家だとトイレは各階に一か所ずつ設置することがほとんどです。
先ほどもお話しした通り、時間が自由に使える空間であるためには、誰かに退室を急かされてはいけないのです。
トイレが一家に一台だけだと朝のお出かけラッシュ時に家族に急かされてしまいます。
それではとてもじゃないですが、ゆっくりと癒し空間を堪能できません。
一家に二台あれば、一階を稼働率の高いトイレとして設定し、二階をゆっくりするトイレと位置付けることができます。
余裕があれば、で結構ですが一家に二台トイレを設置するのがおすすめです。
来客に備えるトイレ。
ただ単にトイレを二か所設ければいいというわけではありません。
自宅を構えればそこに来客があることも考慮しなければなりません。
二か所あるうちの一つは来客対応ができる仕様に作ることも重要です。
例えば、来客があるのであればトイレットペーパーやブラシなどは見せたくないですよね。
それらをしまえる収納があると便利です。
また、トイレはただ用を足す空間ではなくて身だしなみを整えることに使われる場合もあります。
つまり来客されるお客様をおもてなしするためにパウダールームとしての役割を持たせるのです。
そのためには簡単な手洗いと鏡が必要となります。
その手洗いと鏡は将来子供たちが成長した時にサブ洗面台として活躍する日が来るかもしれません。
将来を見据える。
私たちは否が応でも歳を重ねていきます。
その時に今あるトイレで快適な生活を送れるでしょうか?
そう考えると、将来を見据えたトイレの計画が必要なのです。
もし、皆さんの体が不自由になり介護者が必要となった時でも、ある程度は対応できる程の広さがあるといいですよね。
通常のトイレだとトイレの先端から壁まで約60㎝ほどのスペースしかありませんが、介助が必要な場合では1.2M程の空間が必要と言われています。
あらかじめ、その空間が取れるような間取りにしておくといいでしょう。
また、自主的に立ち座りができる場合に備えて、手すりを装着できる仕様にしましょう。
最初から装着しておいてもいいのですが、後々取り付けるのであれば将来手すりを設置する位置に壁下地を入れ込んでおく必要があります。
そして、手すりは壁に取り付けることが多いので壁とトイレの距離を離しすぎないようにすることも重要です。
それから、老後は階段の上り下りが困難になることを考えると、一階のトイレの仕様を将来を見据えた計画にするといいでしょう。
バリアフリー化できる仕様にしましょう。
ここまで述べた通り、メインのトイレは将来の介護用トイレとなる可能性が高いです。
つまり、一階のトイレをバリアフリー仕様にするか、将来バリアフリー化できるようなレイアウトにしたいところです。
しかし、ここで配慮するのはレイアウトだけではありません。
その部屋に出入りする動作に支障がないように計画しなければなりません。
床に段差がないことはもちろん、出入り口の扉を引戸か引き込み戸で設定することが望ましいです。
特に車椅子を利用することになった場合、開き戸だと出入りするだけで困難を極めます。
また、開戸の場合は室内開きにすることが多く、そうすると室内空間に扉が入り込んでくることになり介護空間と干渉してしまいます。
間取りにもよりますが、できるのであれば引き戸か引き込み戸の採用を強くお勧めします。
床は掃除のしやすいクッションフロアかタイルカーペットを採用しましょう。
水分や汚れが飛散した場合に掃除がしやすく便利です。
「お手洗い」という呼び方の由来。
トイレのことをかしこまって言う時、「お手洗い」といいますよね。
その理由は用を足したその後に手を洗う動作が言葉になったからです。
やはり手を洗う設備はトイレの室内に装備した方が無難でしょう。
導線を考えるとトイレを出た後ではなく、やはりトイレの室内に手洗があることが望ましいと考えられます。
そうしないと用を足した後、その手でドアノブを触ることが衛生上良くないからです。
極力、手洗い付きのトイレを採用するようにしましょう。
手洗い付きトイレを採用する場合、タオル掛けの位置は注意してください。
タンクの上で手を洗ったらすぐその近くにタオルがないと濡れた手から水が滴り落ち床が濡れてしまいます。
もし余裕を持ったトイレ空間を取ることができるのであれば、私のお勧めはタンクレストイレを採用し、壁面側に簡易的な洗面台を設置することです。
そこに鏡をつければ先ほど言っていた来客対応ができるパウダールームの完成です。
セカンドトイレは個性豊かに。
来客のあるトイレが一階だとすると二階のトイレは完全プライベートトイレとなります。
セカンドトイレとでも言いましょうか。
セカンドトイレは思いっきり自分仕様に作り上げていいと思います。
例えば、漫画や雑誌を置く本棚を作ったり、癒しの音楽を聴くためにスピーカーをつけたり、照明器具やアクセントクロスを遊んでみたり、スマホを置くちょっとした棚をつけたり。
要は、自分たちの癒しの空間を個性豊かに作り上げてください。
もちろん家族みんなの癒しの場所なので、個人主義に陥らないように家族全員の意見を取り入れる必要はありますが…。
ペーパーホルダーの話
紙巻き器のこと。二連にすべきか通常のシングルにすべきかどうかって話があります。
これは好き好きで決めればいいと思います
私の家では一階が二連で二階はシングルです。
一階は仕様頻度が高いので紙切れの心配が少ない二連にした。
二階は来客者が使用することもないしスペースが一階よりも狭いのでシングルにした。
現在生活において何も不自由はありません。
男性用小便器の話
奥様以外全員が男性の施主様がいました。
そこは、普通の洋式便所と合わせて小便器も設置していました。
もちろんその要望を出したのは奥様。
今まで男性陣のトイレ後の飛び散りが悩みの種だったそうです。
トイレ器具メーカー紹介。
住宅メーカーが取り扱っているトイレの主なメーカーは私の知る限り、以下の4社に集約できます。
- TOTO
- LIXIL
- Panasonic
- タカラスタンダード
企業の紹介とリンクを貼っておきます。
ハウスメーカーによって取扱がないメーカーもあるかもしれません。
まずはどんな器具が選べるか調べた上で、トイレメーカーのショールームに足を運んでみましょう。
必ず、実際に見て、説明を受けて、納得してから器具を選定してくださいね。
TOTO
「ネオレスト」「ピュアレスト」「レストパル」などのシリーズで有名。
業界シェアNo.1を誇る。
ウォシュレットを開発した先駆者企業。
LIXIL
元々はINAXというメーカーでした。
「サティス」「アメージュ」などのシリーズで有名。
収納ユニットの組み合わせなど、トイレのトータルコーディネイトに力を入れている。
Panasonic
代表格「アラウーノ」シリーズが人気。
トイレ脇のタンクに洗剤を入れ泡で洗浄する仕組み。
色のバリエーションも豊富でお部屋の雰囲気に合わせて選択できる。
タカラスタンダード
「ティモニ」シリーズ。
トイレ周辺の汚れを防ぐ「ホーロークリーントイレパネル」も好評。
コンパクトな形状のものが多い。
まとめ。
今回はトイレについて私の主観を元に書いてきました。
トイレを計画する初期段階で知っておいて損はしない内容になっているはずです。
間取りを決めるのはおそらく設計の初期段階。
設計打ち合わせに入る前にトイレのレイアウトについて、家族全員の意見をまとめておいた方が得策でしょう。
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