工事着手を迎える施主のチェック項目【はじめに】
こんにちは。設計打ち合わせも終わり、これからいよいよ工事が始まる段階にきたあなた。
ドキドキした期待感と裏腹に施主として何をしたらいいのかわからず言いようの無い不安感に抱かれている方も多いと思います。
このブログでは着工前に施主が確認しておくべきことをいくつかピックアップします。
最低限これだけをやっておけば工事は円滑に進んでいくはずですのでチェックをしてみてください。
それでは最後までご覧ください。
工事着手を迎える施主のチェック項目【最終決定図】
今まで打ち合わせをしてきた内容の全てが図面に投影されているかどうかの確認をしてください。
図面の見方がわからなければ設計者に聞けばいいです。
特に初期の段階から大幅に変更したり追加をした部分については要チェックです。
またこだわった部分もきちんと反映されているのかを見てください。
設計者も人間ですので記載忘れなどもあるものだと疑いを持って見るといいでしょう。
チェックをする図面はハウスメーカーの設計者からもらってください。
この図面を使って工事を進めるという決め事を共通認識として持っておくためです。
今後はこの図面のことを「最終決定図」という呼び方でやりとりをするといいですね。
「最終決定図」に従って工事は進んでいきます。
図面に記載されていないものは現場にも設置されません。
実際のところ、長年の現場監督の経験の中で、打ち合わせではこう決まったのに現場ではそうなっていないという話はよくあります。
これは施工と打ち合わせの間を取り持つ唯一のカギである「最終決定図」の不具合と言えます。
工事側の人間からしたら図面通りに作っているのにやり替えなければいけないという理不尽な事象が発生していることになります。
また、現場でのやりかえ作業は大変な労力と時間がかかります。
当然、実際仕上がった現場を見て気づくより図面上で気づいた方がリスクは少ないのです。
図面上の記載修正は一瞬で終わります。
そう考えると「最終決定図」をチェックする意義は大いにあると考えて良いでしょう。
工事着手を迎える施主のチェック項目【スケジュール】
業務的な立会いスケジュールの把握
今後の工事の業務的な立会いスケジュールを大まかでいいので把握しておきましょう。
工事途中には中間打ち合わせや竣工検査・引き渡しなど、現場で打ち合わせをする機会が設けられます。
施主にとって家づくりは一大イベントではありますが、各々仕事であったり子育てであったりライフワークの時間を削って行う作業です。
急に現場に来てくださいと言われても困ってしまいますよね。
なので、どのタイミングで現場に足を運ばないといけないのかを理解しておき、スケジュール上無理が生じないように計画を立てておいた方が良いのです。
業務的なイベントは何があるのか、その流れをまとめた記事がありますので載せておきます。
家づくりを楽しむための工程の把握
また家づくりを楽しむという観点から現場を見学するためには、どのようなタイミングがベストかを把握しておきましょう。
そのようなアプローチで工事の進捗を見ていけば、その一つ一つの体験が思い出になり、将来的にはマイホームに対する愛着になります。
私はそういう意味で良いタイミングで現場に足を運ぶことをお勧めしています。
家づくりを楽しむために見るべき工程をまとめた記事があるので載せておきます。
施主支給品を現地に持ち込むタイミング
「施主支給品」を予定している場合は、いつまでにそれを用意しておかなければならないか、前もって聞き取りをしておきましょう。
施主としては、その材料をネットで取り寄せたり買いに行ったりする時間が必要だからです。
明日までに現場に持ってきてください、と言われても材料調達ができていなければ無理なので。
施主支給品とは
材料や商品を施主が用意し、取り付け工事は施工業者が行うもの。
例)鏡・照明器具・棚や金物類など
引き渡し日を意識する
そして、引き渡しの日程を意識しておくことが重要です。
着工前にハウスメーカーから工程表が提示されます。
その工程表には引き渡し予定の日程が書かれているはずです。
引き渡しに向けて施主がしなければならない準備も実は色々とあるのです。
それをなるべく早めに進めておくと最後の方にバタバタと慌てる必要がなくなるので安心です。
以前、詳しく書いた記事があるので載せておきますね。
工事着手を迎える施主のチェック項目【仮設計画・近隣挨拶】
仮設計画
工事のことは分からないからハウスメーカーにお任せという方がほとんどだと思います。
しかし、施主としての思惑と違うことをされると不信感が募ってしまいます。
それは工事現場の仮設計画のレイアウトについても言えることなのです。
工事を始める前に現場監督が作成する「仮設計画図」というものが存在します。
敷地を囲う仮囲いはどのような範囲で何を使うのか、入り口はアコーディオンかカラーコーンか、重機乗り入れのために鉄板を敷くのかゴムマットを敷くのか、ガードマンの配置は・・・などが書かれています。
例えば、仮設トイレの位置を隣の家に近すぎるところに設置していたりすれば近隣クレームになりかねないし、将来畑にする予定の場所に砂利敷きをされていたら後々撤去を依頼しなければならなかったりします。
安全や現場のために現場監督が良かれと思って設置したものが、施主の思惑と違っていることにより調整をしなければならないこともあるかもしれません。
近隣挨拶
近隣挨拶をどのようにするのかも事前に決めておくと良いでしょう。
さすがに今時のハウスメーカーで近隣挨拶をせずに工事を進めるなんてことはまずないと思います。
しかし、挨拶に回る範囲に指定があるのであれば先に伝えておくべきでしょう。
施主としてはこの範囲を回るだろうと想像していても、実際はそれよりはるかに狭い範囲しか回らなかったりする場合もあります。
例えば、町内会の会長のところは回っておいて欲しいとか、〇〇さんはクレームを言ってくる可能性が高いので回っておいて欲しいとか個別の相手に関しては伝えておくことが重要です。
これも施主の思惑通りにハウスメーカーがやってくれるとは限らない部分なので事前にチェックをしておいてください。
近隣挨拶をする時に施主も一緒に回るのが一番間違いのない方法なのかもしれませんね。
工事着手を迎える施主のチェック項目【緊急時連絡先と相談窓口】
工事は順調に進むばかりではありません。
途中トラブルが生じたり、施主として疑問に思うことも出てくるかもしれません。
そのような時に誰に相談をすればいいのか、その窓口は誰なのかをきちんと把握しておきましょう。
一般的には現場監督が相談窓口になることが多いでしょう。
今まで慣れ親しんだ信頼ある営業担当に連絡を入れる方もいますが、実際は工事のことはあまり把握していないことが多いです。
それは営業担当が悪いと言っているわけではありません。
営業には営業の仕事があり、現場監督には現場監督の仕事があるので当然のことです。
営業担当に工事のことを依頼・相談しても、結局は現場監督への伝言ゲームになることが多く、情報の本質を伝えきれないために結果が伴わないこともあります。
現場のことはダイレクトに現場監督に相談連絡をすると話も早くて正確に物事が伝わります。
なので、工事が始まったら、なるべく早く現場監督と親しんでおくことをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
工事着手はおめでたいことですが、施主としては設計打ち合わせも終わり気が抜けてしまう時期かもしれません。
しかし、最低限ここまで挙げた4つの項目をしっかりチェックしておいてください。
- 最終図面
- スケジュール
- 仮設計画・近隣挨拶
- 緊急時連絡先と相談窓口
そうすれば工事中のトラブルも最小限に抑えることができ、引き渡しに向けて余裕を持ったスケジュール計画で挑むことができるはずです。
そして、施主自らが自分も工事現場の一員であるかの如く現場に足を運び、ぜひマイホーム作りを楽しんでいただきたいものです。
それでは今回はここまでといたします。
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