家づくりとIot その現状と課題を考える

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家づくりの準備
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はじめに

これから家づくりをされる方の中には、昨今話題になっているIotを積極的に取り入れていきたいと考えている人も多いのではないでしょうか?

「internet of things」モノのインターネット

あらゆるものがインターネットに繋がり暮らしを豊かにしてくれる。

そんな未来が当たり前になる時代が目の前にきていることは誰もが知っています。

それによって生活そのものが変わり、便利になっていくことは歓迎するべきことですよね。

積極的に取り入れていきたいと思う方がほとんどではないでしょうか。

しかし、夢のあるIot化にはまだまだ大きな課題が潜んでいることを多くの人は知らないのです。

この記事ではハウスメーカーがIotに対し、どのように関わりを持ってくるのか。

現状ではどのような対応ができるのか。

今回は家づくりに携わる者として、そのあたりのことについて触れていきたいと思っています。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

家づくりとIot 新築計画時に検討したいこと

まずはHEMSという機器をご存知でしょうか?

これは主に電気を見える化し、省エネ・省資源に一躍かってくれる機器です。

このHEMSはIot機器との連携にも役立ちます。

実はIotを導入する際、この機器がネットワークの中枢となり統括してくれる重要な機器にもなるのです。

新築計画の際、この機器を入れておかなければその他のIot関連の機器の導入が難しくなってしまう可能性が高まります。

他にもスマートロックという概念があります。

外出先からも家の施錠管理ができるというもの。

鍵の締め忘れで不安になることが多い方にとってはとても便利な機能です。

しかし、それを後付けで導入する為にはサムターンを回すための電池式の機器を鍵の部分にビス留めしたり両面テープで取り付ける必要があります。

なんとも残念な使用感ですね。

それであれば新築計画の段階からIot対応可能な電子錠を導入しておけばいいのではないでしょうか。

シャッターもIot対応式の電動シャッターにしておけば通信機を使ってつなぐことができます。

ここで例にあげたHEMSやスマートロックやIot対応の電動シャッターの他にも新築時に導入するべき機器はいくつかあります。

給湯器、床暖房、照明機器(ダウンライト)、太陽光発電、防犯カメラなどがそうです。

中には有線LANでIot機器とルーターを繋がなければいけないものもあります

となると、それらは新築計画の中に取り入れておかなければならず、後付けで取り入れたくても改修工事をしなければ叶わない機器なのです。

まずは、Iot機器の中には後付けができないものがあるということを知らなければなりません。

それを知らずに計画を立てると後々後悔をしてしまうことになりかねません。

逆にいうと、現在新築工事を計画されている方はIot環境を整えるのに絶好のチャンスであると捉えることができます。

将来Iotを導入する場合を見越して間取りの工夫、建具の工夫、お掃除ロボットの部屋、コンセントの配置、通信機器の設置場所確保など、検討する要素はたくさんあるのです。

家づくりとIot ハウスメーカーの課題

では、これから家づくりを計画していくにあたって施主としてIotを導入したいとハウスメーカーに提言した場合はどうなるでしょうか?

おそらく、多くの場合「え?Iot導入するんですか??」という具合に怪訝な顔をされることが多いでしょう。

それは、設計者がまだ十分にIotに対する知識を持ち合わせていないことと、ハウスメーカーとして、いわゆるスマートハウスの実績が乏しいことが原因だと考えられます。

世間ではIotの将来性を熱望しているのに、ビルダー側はまだその体制が整っていない

残念ながらそれが悲しい実情なのです。

もう一つのIot導入の大きな障壁は新築完成後に後付けで対応できる機器の種類が限られているということです。

実は、Iotにつなぎたい機器と繋ぐルーターや通信機に有線LANが必要なものがたくさんあるのです。

有線LANの施工はもちろん新築工事の際に壁内に収めるのが最適解です。

また、通信機それぞれに電源が必要なので通信機置き場コンセントの数も検討しなければなりません。

後から繋ごうとすると部屋内を露出したLAN配線がだらしなく横たわることになってしまいます。

つまり、新築計画時からIot導入の具体的な計画を立てていかなければならないのです。

このことからも、今現在、頼るべきビルダーの体制が整っていないことは大きな課題であるということがわかるはずです。

家づくりとIot もう一つの課題

おそらくビルダーの知識不足・経験不足は時間が経てば需要に応える形で少しずつ解決していくことが予測できます。

いつかは大々的にスマートホームを推進し標準的にトータルコーディネートしてくれるハウスメーカー が名乗りをあげる日が来るでしょう。

→すでに会社の売りとしてスマートハウスを唱っているハウスメーカーは見受けますが、現場レベルでの対応はまだまだ至っていません。

また実績が増えれば、作るだけではなくその設定作業やアフター対応もできる人材を確保し施主を安心させてくれる時が来るでしょう。

では、もう少し待てば新築工事で完璧なIot対応可能なスマートハウスが実現できるのでしょうか?

その質問に答えるとするならば、残念ながらノーです。

まだ他にも課題はあると言えそうです。

以前、私の担当した物件でIotを導入した新築工事がありました。

建物完成後、ものは試しと私自ら設定作業を一生懸命調べながらやってみたことがありました。

その時分かったもう一つの課題。

それは、Iotシステムの統一規格の必要性です。

スマートハウスがハードだとすればIot機器はソフトです。

たくさんあるそれぞれのソフトが互換性のないOSで作動しているとなれば統一性は皆無なのです。

設定していくとわかるのですが、HEMSや電動シャッター、エアコン、照明器具などそれぞれスマホとのIot連携はできます。

しかし、実はそれぞれ別々のアプリを立ち上げなければ使えないということに気づいたのです。

具体的なメーカー名や機種名はあげれませんが、私はそれを目の当たりにしてあまり便利さを感じることができなかったのを覚えています。

例えば、スマートスピーカーとの連携もできるのですが、Google Homeは可能だがアレクサはつながらないとか…。

規格統一がされていないのでいちいちアカウントを作成したり会員登録をしなければならなかったのも不便さを感じました。

そのせいで準備に時間がかかったし、設定方法も機器ごとに違うので想定外に時間がかかりました。

一部では規格の統一化が進んできているとの話も聞きますが、まだまだ実用性の低さを感じざるを得ませんでした。

もしハードの問題が解決してもソフトに問題があれば完璧なスマートハウスは実現できないのです。

まとめ これからのIotに期待したいことと

現在、Iotでできることは主にスマホを使っての遠隔操作がメインです。

でも遠隔操作をすることだけがIot導入の本来の目的なのでしょうか?

もしそうであれば、あまりにもIot技術の可能性を無駄にしていると言えます。

Iotにはもっともっとたくさんの人の人生を豊かにしてくれる可能性があるはずです。

例えば、高齢者や子供達のために見守りサービスや防犯・防災などに活用したり、普段の生活で負担となる家事を効率化したり再配達率の軽減に協力したりするのはどうでしょう。

もしそれが当たり前のように実現するならば、より良い未来に期待ができると思いませんか?

もちろん、まだまだIot技術の普及には時間がかかると思いますが、確実に生活に浸透していく技術です。

これから新築工事を計画する方にはぜひ、なんとか導入を検討していただき技術革新の一端を担って欲しいものです。

今回はここまでといたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

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