外構と建物の密接な関係
皆さんは、外構工事は建物完成後に計画すればいいかなって思っていませんか?
実はそうすると、後で大変なことになりますので注意が必要です。
今回は皆さんが失敗しないために外構工事と建物工事の密接な関係についてお話ししていきますね。
外構計画の位置づけ
外構工事の位置づけは建物の基本工事である基礎工事、建方工事、設備工事などと同列に扱わなければいけません。
よく考えてみれば分かりますよね。
例えば、
- 建物の形状が決まっていなければそれを支える基礎の形状が決まらない。
- 間取りが決まらないとコンセントの位置が決まらない。
それと同様に
- 外構計画が決まらなければ建物の配置が決まらない。
のです。
つまり、外構計画は建物計画全体のうちの一部と考えなければならないのです。
今述べた点は、本来ビルダーの担当者が皆さんにアドバイスをすべき点なのですが、営業マンはとにかく家の契約を取るために、まずは建物を先に決めていきましょうと言ってしまうのが一般的です。
皆さんは自分の力でよく考え、外構計画に早くから取り組むようにしましょう。
整合が必要な項目
では建物と外構を整合させておく必要がある項目を列挙していきましょう。
- 駐車場計画、カーポート
- 地中配管や排水枡との干渉
- 擁壁基礎と建物の配置
- 水道メーター、ガスメーター
- 防犯カメラ
- あと置きの物置、タイヤ置き場
- テラス、ポーチ
- 屋外コンセント、明るさセンサー、ジョイントボックス
- エアコン室外機、ドレン配管
- インターホン
- 植栽計画
※ここに挙げた項目が具体的にどのように外構と関係してくるのかは別の機会に詳しくまとめようと思っています。
外構との整合が重要な項目はパッと思いついた項目を挙げただけでもこんなにあるのです。
建物と密接な関係があるとお伝えした理由はこのためです。
これを聞けば、外構と建物を分けて考える事が大きな間違いである事を分かっていただけたのではないでしょうか。
これを無視して建物を完成させ、後に外構計画を始めた場合は以下の二択からのみの選択になってしまいます。
- 出来上がった建物に外構工事を妥協しながら合わせていく。
- 整合しないところはやりかえ費用を支払いながら整合させていく。
また、やりかえができるものばかりではありません。当然やりかえ不可能のものもあります。
そうなると先に計画していれば何も問題なかったものに頭を悩ますことになります。
皆さんはそうならないようにしましょう。
外構を先に考えるメリット
デザインや機能性の面から外構ありきで建物を計画すると以下のようなメリットが生まれます。
例1)外構で植栽をここに計画すれば、それが道路からのアイストップになりプライバシーが保たれることになりますね、では部屋にもうひとつ窓を設置して採光をとりましょう。
とか、
例2)外構のアプローチに足元灯をつけましょう。そうすれば建物の軒天にダウンライトをつけなくても夜間でも明るさは保てますよ。
など。他にも考えればいくらでも応用が効きます。
つまり、建物と外構をコラボさせて考えることで、無駄を減らしたり有効的な設備を増やしたりするなど選択肢のバリエーションがどんどん増えるのです。
なので、そのメリットを最大限に活かしていきましょう。
別業者に依頼する場合
建物と外構を別の業者に依頼する場合もありますよね。
外構業者は提案力の良し悪しや金額の違いがあると思うので、皆さんが気に入った業者を選択すればいいです。
その時には可能であれば皆さんからの提案として、建物の設計者と外構の設計者を呼び合わせ、事前に合同での打ち合わせの機会を作ってあげるのがベストです。
それが叶わない場合は、外構業者に早めに外構図面を書いてもらい建物の設計者に渡し、見てもらうようにするといいでしょう。
ただ、全てうまくいくとは限りません。
そもそも、皆さんが両者を仲介する役目をしなければならないのが負担になりますし、両者の初めて会う同士の設計士では伝達などがうまくいかず、結局チグハグな計画になってしまったりと、苦労する事が多いでしょう。
つまり、同じビルダー内で、できれば同一の設計者に建物と外構を設計してもらう事がいちばんのおすすめと言えるでしょう。
今回は以上になります。
是非、参考にしてくださいね。
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