引越してから「モノ」の場所を決めていては手遅れ
夢のマイホームが完成し、いよいよ新生活が始まります。
引越しでは運び込まれた段ボールを開け、馴染みのある様々なモノたちとの再会を果たします。
しかし、皆さんはそこで立ち止まります。
さて、このモノ達をどこにしまおうか…。
実はこの段階でモノの居場所が決まっていないということは致命的なことなのです。
暗いダンボールの中で引越しを待ち望んでいたモノ達がようやく日の目を見る時。
自分たちの行き場がないことを知ったらあまりに不憫ですよね。
収納計画をきちんと立てましょう
これは収納されるモノのことを考えずに間取りの計画が進められていたという事例です。
同じことを人間で考えてみてください。
家を計画する時は、そこにどんな家族構成の人が住みどんな生活パターンを送るのかをリサーチしてからかかります。
その中で動線を考え間取りを決め自分の部屋のレイアウトを決めます。
まさか、とりあえずでいいからと適当に新築を建てる人はいないですよね。
人と同じくモノも新築計画の中では主役だと考えてください。
モノは大切な財産です。
そして家は財産を守るためにあります。
モノのことをよく知りきちんと考えてあげなければ、せっかくの広々としたリビングにも居場所のないモノ達があふれだして来ることになります。
モノがあふれかえる空間は居心地の良いものではありませんよね。
間取りの計画を立てる際にはしっかりと収納計画を立てておくようにしましょう。
収納=「モノ」の居場所という考え方
収納を考える上で皆さんが持っている全てのモノについて知る必要があります。
なぜなら主役はあくまでモノであって、収納はそのモノ達の居場所であるに過ぎません。
まずは皆さんがどのような生活用品を所有しているか、どのくらいの頻度で使うのか、誰が主に使うのか、どのくらいのタイミングで使うのかなど可能な限り分析してみてください。
それは衣類や食器から始まり、雛人形やクリスマスツリー、箸やフォーク一本に至るまで全部です。
そうすると皆さんが普段使っているモノの個性について少しずつ理解をする事ができるようになるはずです。
そこまですれば後は簡単です。
それらのモノをどの収納に入れるかを決めていく作業となります。
では、収納計画を論理的に考える方法をレクチャーしていきます。
「モノ」の種類分け
それでは、皆さんの身近にある生活用品というジャンルに含まれる「モノ」の種類にはいったいどんな物があるのかを考えてみましょう。
「モノ」の種類分けと部屋割りをしていく工程を説明します。
使用頻度
まずは使用頻度という観点から種類分けしていきます。
一年に一回使う季節モノ
- 雛人形
- クリスマスツリー
- 鎧兜
半年に一回使うモノ
- 夏服、冬服
- 寝具、布団
- 旅行用のトランク・スーツケース
- スノーボード
- 灯油ストーブ、扇風機
- 買い集めた本
- キャンプ用品
1ヶ月に一度使うモノ
- ゴルフバック
- ビデオカメラ
- 釣り道具
- 爪切り
- ガーデニング用品
一週間に一度使うモノ
- 傘
- 長靴
- 自転車・ヘルメット
- ハサミ
- リュック
- 帽子
- 医薬品
- 爪切り
毎日使うモノ
- 食器
- 歯ブラシ
- トイレットペーパー
- 下着
- パジャマ
- 日記帳
- 靴べら
- スマホ
どうですか?皆さんもリストアップできましたか?
ここまでは私がパッと思いついたモノをランダムに書きました。
皆さんの中にはもっとたくさん思いついた方がいるはずです。
数え上げればキリがないくらいモノに囲まれた生活をしている事に気づきます。
それらの項目を思いつく限りリストアップしていくのです。
断捨離のすすめ
ここで、皆さんが作成したリストに記載されていないモノがありますよね。
残念ながらそれは不用品です。
ほとんど日常的に使うことのないモノ=不要なモノたちなのです。
それらを新築で新たに部屋を用意し居座らせる必要はあるでしょうか?
ないですよね。
新築を計画している時が断捨離の決定的なチャンスです。
普段はなかなかできない断捨離を必ずしておきましょう。
ただし、本当に必要と思われる思い出の品などは保管しておきましょう。
使う場所・保管する場所
続いてはモノの部屋割りを行います。
それを使う場所、もしくはそれを保管する場所にジャンル分けしていきます。
ただし、先ほど「使用頻度」でリストアップした中で「一ヶ月〜半年に一回の使用頻度」に分けられたモノはここではいったん除外してください。
ジャンル分けする部屋の種類は大体以下の通りです。
- リビング
- 寝室
- 玄関
- 書斎
- 洋室
- 洗面所
- トイレ
- 屋外
これらの部屋ごとに、その部屋で何を使うかを考えてください。
そうするとモノが使われる部屋が分かります。
ではモノたちは使われた後どこに戻されるかを考えてください。
それがモノの居場所、つまり保管場所です。
ここでは保管場所にモノを振り分けていきましょう。
さて、モノの居場所リストはできましたか?
まずは集中収納を作る
先ほど、「一年〜半年に一回の使用頻度」のモノはリストから除外してくださいと書きました。
それは頻度の低いものは「集中収納」へと行き場が決まっているからです。
集中収納とは使用頻度の低いモノを集中的に収納させる部屋、いわゆる納戸やウォークインクローゼットのことです。
これらはおそらく家の中で一番大きな収納となるので計画の初期段階に決まる事が多いです。
収納するモノも大型がメインとなります。
どの棚に何を置くのか、取り出しやすさなどを考慮して収納内の棚の高さや奥行きを決めていきましょう。
小屋裏収納・ロフトは収納としてあまりおすすめしません。
場合によっては小屋裏収納やロフトのような形で空間を作り、それを集中収納として使う場合があります。
ただ、小屋裏収納やロフトスペースは空気の流れが悪く温度や湿度の上下が激しいため、モノにとっては居心地が悪くなります。
また高いところにあるため大きなモノをはしご階段を使って上げ下げする苦労があるので、危ないですしあまりお勧めはしません。
できればきちんと納戸としての部屋を設けるのがいいでしょう。
土間収納・ストッカー
集中収納としては土間収納と屋外に設置するストッカーもあります。
この収納に関しては使用頻度に関係なく土がついたり汚れたりするモノを保管します。
なので少し工夫が必要です。
それはこの収納内で「集中収納」と「分散収納」をするスペースを分けてあげるのです。
これを上手に計画するとモノが取り出しやすくなり、ごちゃごちゃすることはありません。
分散収納を考える
次に使用頻度の低いモノたちを生活導線や家事動線を考慮して適材適所に分散配置してください。
このように分散配置するための収納を分散収納と言います。
分散配置する時は、しっかりとそれぞれのモノの個性・特性・性質などを考えてあげましょう。
例えば、
- 湿気を嫌うモノ
- 光を嫌うモノ
- 水を嫌うモノ
- ホコリを嫌うモノ、など
また、設備面でサポートしてあげないといけないモノもあります。
例えば、
- 電源が必要なモノ
- LANやネット回線が必要なモノ
- 水が必要なモノ、など
それから複数のモノを同時に使うのであればまとめて置いたり、見た目がいいものなどはあえてインテリアとして見せる形で置くなどの工夫をしてあげてください。
分散収納の形状について
集中収納では奥行きや幅をたっぷりとって丈夫な棚を設置し、その中で引出しBOX型のケースを置いたりして収納していきますが、分散収納ではこまごまとしたものが多いことから、引出し式にしたり奥行きの浅いスペースに可動だなを設けたりして自由度を上げ調整しやすいようにします。
取り出し頻度の多いものが入る収納では扉をつけずにオープンにしたり、ロールスクリーンで人が来たときだけ隠すようにしたりする工夫もできます。
また、作りつけの棚やスペースだけに頼るのでなく、おしゃれなリビング収納家具などを用意しその家具も含めて見せる収納を演出するなんていうのも面白いですよ。
まとめ
ここまでレクチャーした考え方を使って準備をしておけば収納計画が論理的にまとまり、打ち合わせもスムーズに進むでしょう。
引越しの時に焦ることもないですし長期的にすっきりとした部屋で生活することができるでしょう。
そしてきっとマイホーム作りを成功させてくれるはずです。
新しい生活が始まったらぜひ継続して上手に「モノ」とのお付き合いを深めていってください。
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