突貫工事 契約キャンペーンの落とし穴

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契約キャンペーンの落とし穴家づくりの準備
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☆はじめに

「ご契約キャンペーン中です。今月中に契約すれば割引ができますよ。」

その言葉に怪しさを感じる方も多いのではないでしょうか?

怪しさを感じなかった方は残念ながら、もうすでにハウスメーカーの手の内で転がされ始めていることに気付きましょう。

☆ハウスメーカーの決算時期とは

どのような会社でも決算の月が決まっています。

メーカーによって様々ですが大手住宅メーカーだと3月が多いようです。

半年ごとの決算がある場合は3月と9月という具合です。

ハウスメーカーとしては決算に合わせて売上を多くあげたいわけです。

それ自体は企業の本質として間違ったことではありません。

ハウスメーカーの場合は基本的に家を完成させて皆さんに引渡しをすることで売上として計上されます。

企業として、これだけの売上を上げました、と株主や外部に発信する必要があり、それが企業の評価となります。

☆家電量販店の決算との違い

決算セールといえば家電量販店などの小売店で馴染みの言葉かも知れませんね。

しかし、そもそも家電量販店の決算セールとハウスメーカーの決算セールでは性質が全く違います。

建売住宅の購入については別ですが注文住宅の場合は注意して欲しいのです。

なぜなら家電量販店であればすぐに商品が皆さんの手に渡りその店の売上になるのですが、ハウスメーカーの場合は契約した後、その商品となる建物が皆さんの手に入るまでには多くの時間がかかりますよね。

その多くの時間が予定通り進めば、無理なくメーカーの期末売上として引渡しとなりますが、はからずも予定以上に時間がかかった場合はどうなるのでしょうか?

実はそれでも引渡し日を再設定するわけではなく、売上に貢献してもらうようにメーカーは動こうとするのです。

ただ、皆さんの大切なマイホームがハウスメーカーの利益確保のために無理やり売上物件として計上されてしまうということであれば穏やかな話ではありません。

☆しわ寄せは工事にくる

例えば、皆さんが3月までにお引渡しをすることを条件でキャンペーンの割引を見込んだ契約をしたとします。

しかし着工までの打合せが遅れた場合はどうでしょう。

長引いた打合せのせいで、引渡し日をずらさないためにはどこかにしわ寄せがいきますよね。

そうです。大事な工事期間に影響が出始めるのです。

大手ハウスメーカーは工事の期間を約3カ月間と見込んでいます。

しかし着工が遅れると、決算月である3月末の引渡しに間に合わせるために、2カ月〜2カ月半の短工期で終わらせなければなりません。

お分かりになると思いますが、いわゆる「突貫工事」確定となります。

もし、突貫工事を拒否すればキャンペーン値引きは無かったことにしますとか、契約なので工期を伸ばせませんよなどと脅しをかけられることも考えられます。

皆さんはそれで納得できますか?

☆突貫工事 現場の実情

私は現場監督と言えども、いちサラリーマンの身です。

今まで会社の指示で幾度となくやりたくない突貫工事をやってきました。

結果、やはり皆さんにとっていいことは何もないことは分かっています。

現場は、とにかく時間が足りないので片付けもままならず現場が汚くなります。

できれば皆さんはショックを受けるので見に行かない方がいいくらいです。

朝早くから夜遅くまで、また、日曜日の作業も当たり前にやっていかなければならないため、近所からクレームが発生します。

その時期は特に工事が集中し、大工不足となるので職人さんが一時期入れず、入ったかと思えば4、5人で一気に畳み掛けるように工事をされてしまうなんてこともあります。

まさに修羅場、まるで戦場のようです。

正直に言います。

そんな工事には品質もコンプライアンスもあったものではありません。

いや、ハウスメーカー側の名誉のために丁寧にいうと、もちろん本質的な品質は後々の保証などのことがあるので確保していますが、そのために時間を使わないといけないので、丁寧さとか繊細さなどは犠牲になっていると思った方がいいです。

それでもいいという人はいます?

いないですよね。

つまり工事期間を短く設定することはタブーであり、このような形で契約を交わしてしまった以上、突貫工事を避けるために努力すべきは、着工前までの打合せ期間の予定をきっちり守るか、急いで打合わせを進めるしかないのです。

少なくともこのブログを読んでいただいている皆さんにはそのような目にあって欲しくないのです。

皆さんのマイホームですので皆さんがご自身で回避できることはしていきましょう。

☆皆さんがやれること

まずはそのハウスメーカーの決算は何月なのか事前に営業マンに聞いてください。

皆さんの契約書に載っている契約工期を見て、引渡しの予定日が決算月で設定されているのであれば要注意です。

その場合、一番いいのは引渡し日を決算月より一カ月後にずらしてもらうことです。

皆さんの都合でどうしても後に遅らせれない場合は、決算月が3月であれば3月末ギリギリではなく中旬か初旬まで引渡し日を早めて、さらに適切な工期を確保した場合の打合せスケジュールを事前に出してもらいましょう。

そうすれば、いつまでに打合せを終わらせなければいけないのか、そのためには自分たちは何を準備しないといけないのかなどが明確になります。

その結果、無理な工事をせず完成を迎えることができます。

マイホームの計画はスケジュール通りに進まないことがよくあります。

思わぬ落とし穴があったり、申請してから許可が下りるまでどれくらい時間がかかるか読めない期間があったりします。

できれば、先ほど述べたように、事前に引渡しを次の月にしてもらうことをおすすめします。

☆引渡し日の指定は慎重に

あと、逆のパターンで、仮住まいの家賃を安く押さえるために、早く引渡しをしてくれと日にちを指定をしてくる施主の方がいますが、本当にいいんですか?と問い正したくなります。

繰り返しますが工期を縮めることに何もメリットは無いです。

その指定日が全てのスケジュール的に余裕があるのであればいいのですが、施主からの一方的な要望の場合、そこまで詳細に検討されているわけではないので、現実的なスケジュールではないことが多いです。

引渡し日を指定するのではなく、皆さんが引渡しを受けたい日にちから逆算してスケジュール的に余裕のあるタイミングで契約をするようにしなくてはいけないのです。

☆まとめ

お分かりいただけたでしょうか?

今回は現場監督として、皆さんの大切なマイホームが戦場と化している状況を見るたびに思う苦悩を、赤裸々にお伝えしたつもりです。

決算月の確認と引渡しの希望日を近づけないようにし、打合せから工事完成までかかる全ての日数を逆算して、タイミングよく契約するようにしましょう。

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