地縄張り・配置確認ポイント【はじめに】
こんにちは。カントクパパ です。
地鎮祭の準備は整いましたか?
ところでハウスメーカーはなぜ地鎮祭をやることを前提に話を進めているのか、疑問に思ったことはございませんでしょうか?
実はハウスメーカーは地鎮祭に合わせて配置の確認作業をやりたいと思っているのです。
地鎮祭で皆さんが現地に集まった時に「建物の配置はここでいいですね?」と問われます。
つまり、穿った見方をすると、この配置で工事を進めることになるので後々文句は言わないでくださいね。という意味です。
そう言われると引け腰になってしまう施主の方がいるかもしれません。
でも、これは大切な確認作業なので施主としてきちんと意識するようにしましょう。
ここからは、建物の配置の最終確認についてお話をしていきます。
地縄張り・配置確認ポイント【地縄張りとは】
配置の最終確認は「地縄張り」という方法で行います。
地縄張りとは設計図で示された家の配置を、実際に現地に記すことです。
よくやる手法はビニールテープと五寸釘を使う方法です。
基礎の中心ラインが分かる様に地面にビニールテープを固定していくと建物の形になります。
そうすることで建物が建つ位置が施主にも視覚的に分かるようにします。
それを地鎮祭前にセッティングしておき、地鎮祭で現地に来た時に施主に見てもらい配置の確認をしてもらうのです。
この作業はこの段階以降では成り立たないので地鎮祭の時に合わせて行うのが一般的です。
なぜなら建物が建った後に、思った位置と違うと言われることを避けるためです。
ただし、ここで施主が知っておかないといけないことがあります。
配置の「確認」と言われてますが、実はここからの配置変更は現実的には厳しいと考えてください。
次の項目で詳しく述べますが、地鎮祭のタイミングで行う配置確認はあくまでも確認作業でしかないと思っておかなければならないのです。
地縄張り・配置確認ポイント【配置変更は可能か】
ではもし、地縄張りを見て配置を変更したいとなった場合、ハウスメーカーは気軽に変更に応じてくれるのでしょうか。
答えはノーです。
実は皆さんが想像する以上に、配置変更によって派生する影響は大きいです。
もしかしたら間取りの変更にまで発展し、計画の練り直しになる可能性もあります。
また建物を建設する許可申請を一からやり直しをする必要が出てくることも考えられます。
そうなれば、改めて申請する費用がかかったり、工期がずれこんだりしてしまいます。
これは得策ではありません。
配置変更内容の度合いにもよりますが、基本的にはハウスメーカーにとってはこの段階では受け入れがたい状況であることに間違いはありません。
そのような場合は、工事着工間際の地鎮祭を待たずにもっと早い段階で地縄張りをしてもらい、先に現地で検討したいと申し出ましょう。
必ずしも地鎮祭と地縄張りは同日にセットでやらないといけないわけではありませんから。
次縄張り・配置確認ポイント【パースソフトを使う】
この記事を作成後、SNSで施主の方とお話しをしていて、AR技術で現地に投影できたら素人でもわかりやすいのにね。という話が出ました。
現実的にはまだそのようなソフト開発はできていないのかと思っていた矢先、間取り&3D住宅デザインソフトを開発されている「3Dマイホーム デザイナー」さんから直接耳より情報をいただきましたのでここに記載しておきます。
なんと「3Dマイホーム デザイナー13」には作成したパースをGoogleEarth上に建てる事ができるそうなんです。
その機能を使ってGoogleEarthに載せる事ができればイメージが掴みやすいはず。
AR技術で机上に映し出す事ができるので、マイホーム をぐるりと観察することはできますよね。
また、建築予定地の土地の写真を撮ってその画像を背景として使うと土地と3D合成外観パース図も作れます。(360度パノラマ画像も13から対応)
次縄張りでの配置確認が心配だという方はぜひ「3Dマイホーム デザイナー13」を活用してみてはいかがでしょうか?
地縄張り・配置確認ポイント【大きさの感覚】
私の経験から推測すると、地縄張りされた建物の大きさを見て、想像したよりも小さい!と感じる方が圧倒的多数のようです。
不思議なことに今まで机上で設計図を見ながら頭の中でイメージしていた大きさよりも何故か小さく感じられるのです。
これは人間の感覚がそのようにできていて、結論を言うと、あまり心配をすることではありません。
例えを言うならば、あなたの住んでいる近くの解体工事が完了した時に、建物が無くなると意外と広い敷地だったんだなと感じることはありませんか?
まさにその逆の状況が目の前で起こっていると思えば話は簡単なことなのです。
地縄張り・配置確認ポイント【基準の高さ】
もうひとつ、配置確認で地面の高さも確認されるはずです。
基準点から何センチの高さを建物の基準とするかという話です。
一般的には「近くの道路の側溝やマンホールのふたをゼロとして、そこから何センチ上がったところ」という表記の仕方で記載されます。
配置図を見ると必ず上のような表記が図面のどこかに記載されています。
- GLはグランドレベル。つまり仕上がりの地面の高さです。
- KBMは基準点。先程の話で言うと側溝の蓋の高さを表しています。
- +250mmは基準点から25センチ上がったところを地面の高さとするという意味です。
現地では、「この辺りが地面のラインとなります。」という説明を受けることになります。
ただ、地面のラインが分かったとしても生活に重要なのは室内の床の高さです。
それが理解できるように説明をしてもらうとイメージが掴みやすくなるはずです。
現地の土の量が多いまま残されており、設計図通りのGLだと残土撤去費用が多くなりそうな場合は数センチ高くGLを上げて調整する事があります。
その場合の注意点も以下に挙げておきますのでよくスタッフと検討して決めるようにしてください。
地縄張り・配置確認ポイント【隣との位置関係】
せっかく現地で配置の確認をしているので近隣の状況との照らし合わせをするようにしましょう。
- 玄関や窓の位置がきちんとプライバシーを保てる位置にあるか。
- 隣り合う建物と窓が重なり、近接しているのであれば目隠しの検討が必要か。
- 車の出入りのしやすさ。
- 建物周りの空間の感覚。
- etc.
今だからこそ分かる内容ですし、逆に言うと今しか対策を検討するタイミングはないのではないでしょうか。
地縄張り・配置確認ポイント【設備の位置】
実は配置確認できちんと設備の位置まで詳細に説明をしてくれる現場監督は少ないかもしれません。
- エアコンの室外機や給湯器、換気扇などの排気を伴う設備の位置。
- 生活騒音についての検討。
図面では分かり得ない隣へ影響のありそうなものが適切な位置にあるのかどうかを想像力を総動員してきちんと確認しておきましょう。
地縄張り・配置確認ポイント【まとめ】
ここまで配置確認について話してきました。
この配置確認についてはあまり語られることがなく、地鎮祭の流れでいつの間にか終わっていたとなる方も多いようです。
しかし、これを間違えると取り返しがつかないことになる重要な確認作業です。
しっかりと集中して現場監督の話を聞くようにしてください。
配置確認が終わり工事が着工すれば、きっとあっという間に建物は出来上がっていきます。
これが設計打ち合わせの総仕上げとして現地での配置確認をするようにしてください。
では、工事中もどんどん現場に足を運んでマイホームづくりを楽しんでくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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