竣工検査の心構えと6つのチェックポイント

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竣工検査の心構え工事中のアドバイス
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竣工検査の心構えと6つのチェックポイント【はじめに】

こんにちは。

マイホームの工事も着々と進み、あっという間に完成を迎えようとしているあなた。

次回のスタッフとの約束は竣工検査ではないでしょうか。

ところで竣工検査って何するの?という方もいるのでは?

平たくいうと施主が現場に行き、完成したマイホームを検査する行事です。

まずはインターネットで「竣工検査」と検索してみてください。

すると様々なHPが出てきます。

その中にはチェックリストが記載されたサイトもあるのでそれをダウンロードして竣工検査に持参するのも一つの方法です。

ただ、実際の竣工検査は1時間〜2時間ほどで終わってしまいます。

その間に、チェックリストを開いていちいち記入するほどの余裕はないはずです。

せっかくダウンロードしたチェックリストはただのお守りで終わってしまいますよね。

では施主として竣工検査はどう受けるべきなのかとお困りでしょう。

そんな方は是非この記事を最後まで読んでみてください。

竣工検査に対する心構えやチェックするポイントをまとめてあります。

まずは竣工検査前に、この記事に記載した6つのポイントを頭に入れておくと良いでしょう。

そしてスタッフの説明を聞きながら各部屋を周り、眺めながらそのポイントを確認していくのです。

そうすると、見るべきポイントを押さえつつ、しっかり説明も聞けて竣工検査が有意義なものになるはずです。

竣工検査はスタッフが使い方や注意点をみっちりと施主に説明してくれるまたとないチャンスです。

この時間を無駄にしない方が今後の新たな住居での生活のことを考えると得策なのです。

それでは最後までお付き合いください。

竣工検査とは

「竣工検査」「施主検査」「完成検査」

「竣工検査」と似た名前がいくつかありますので最初に整理していきましょう。

似た名前としてよく聞かれるのは以下の3パターンです。
  • 「竣工検査」
  • 「施主検査」
  • 「完成検査」
これらはただ単にハウスメーカーによって呼び方が違うだけで同義語として考えれば大丈夫です。

ちなみにこの記事では「竣工検査」で統一させていただきます。

「竣工検査」は建物が完成したことを受け、施主に完成状態を見てもらう検査のことです。

ここで施主のOKが出れば予定通り引き渡しをすることができます。

ただ、竣工検査で指摘事項が出たとしても、引き渡しまでに是正が完了するような軽微なものであれば大きな問題ではありません。

もし大きな指摘が発生し、引き渡しまでに是正完了が不可能な場合は引き渡し日を延長するなどハウスメーカー との調整が必要になってきます。

「完了検査」

そして、もう一つ似た言葉があります。

「完了検査」

これは「竣工検査」と似たニュアンスに聞こえますが実は全く違う検査です。

これは建築基準法に基づいて行う検査であり、施主が立ち会うことはありません。

あくまでハウスメーカー が行政に検査を依頼し検査済証を下ろすために行われるものなのです。

もちろん、この検査済証が下りていなければ施主は引き渡しを受けることができません。

なぜなら、まだ人が住んでよい建物であると公的に認められていない状態だからです。

重要な検査ではありますが、とりあえず、完了検査はハウスメーカーに任せておけば結構です。

ここでは、皆さんが立ち会う必要のある検査が「竣工検査」であるということを覚えておいてください。

竣工検査の心構え

冒頭にも述べたとおり、竣工検査とは施主の検査であることはお分かりいただましたか。

しかし、検査って急に言われても何を検査すればいいのか分からないし責任を押し付けられているようにも聞こえる…と不安になりませんか?

ネーミング的に「検査」と言われるとどうしても身構えてしまいますよね。

では、施主としてどのような心構えで臨むべきでしょうか。

ハウスメーカーによって多少違うかもしれませんが、「竣工検査で施主から指摘を受けなかったら以後一切指摘は受け付けません」っていうスタンスの会社は存在しないのではないでしょうか。

保証や契約約款の話は置いといたとしても、あくまで完成した状況の確認と建物の説明として竣工検査を位置付けているはずです。

なので、あまり身構えず、そして粗探しに徹するようなことはせず、施主として直感的にアレっ?て思うことを追求すればいいのです。

また、指摘をすると細かい客だと思われてしまいそうだからと躊躇をしてしまう方がいます。

しかし、それはそれで竣工検査の意味があまりなくなってしまいますよね。

気づいたことはきちんと伝えましょう

それより以前からスタッフと良い人間関係を作っておけば言いやすいですよね。

では次に、竣工検査で見ておくべき6つのポイントをまとめますので、是非これらを頭に入れてから竣工検査に臨むようにしてください。

竣工検査で見る6つのポイント

Point①モノが図面と整合しているか

念の為、最後にもらった図面一式を持っていきましょう。

打ち合わせも数を重ねると当初から仕様の変更を幾度となく重ねていきます。

その中で変更したはずのものが図面反映されていなかったり現場へ通達されていなかったりすることはよくあることです。

最終決定通りの材料が取り付いているかは確認しておくべきでしょう。

ただし、全ての部位をくまなく確認する必要はありません。

特に思い入れの強かったものや、もともと気になっていた部分だけでも構いません。

例えば最後まで悩みに悩んだキッチンやレンジフードの種類とか、洗面化粧台のミラーとか

途中で追加したコンセントなど。

あなたがとてもこだわったものにポイントを絞って見るようにしましょう。

Point②傷・汚れ・隙間がないか

残念ながら傷・汚れ・隙間のチェックをし出すと時間がいくらあっても足りません

そこはある程度ハウスメーカーに任せてもいいでしょう。

それに時間帯によって見え方が変わることがあるので完全に拾い出すのは不可能です。

各部屋に入ったときに、さらっと全体を見回してください

明らかなものがあれば指摘し、それ以外は入居後に気づいたら補修を依頼するようなスタンスで問題ないでしょう。

以前、私のお客様でこのような方がおられました。
どうしても施主として全ての確認をしたいということで、一日間、鍵を開け施主のペースでチェックをしたいということでした。
マスキングテープを持参し、心ゆくまで指摘箇所にテープを貼っていただきました。
その方は、ご自身でそこまでやったからご満足だったのでしょうか、ご入居後の傷・汚れ・隙間の指摘は一切いただかなかったことを覚えてます。
チェック対象
全箇所が対象(・クロス・床・建具・棚・設備機器関係)

Point③可動部分の動きがスムーズか

玄関扉・建具・戸棚・サッシ・シャッターなど、動く部分はなるべく動かしてみましょう。

そして、その動きがスムーズかどうかを確認してください。

ただし、建具などは温度や湿度の変化とともに今後時間をかけて形状変化をしていきます。

今はスムーズでも生活が始まった後に動きが悪くなることがあることを知っておいてください。

そのような場合は引き渡し後であってもハウスメーカーに調整を依頼してください。

保証期間内であればきちんと対応してくれます。

おそらく一年経てば建材も新築に馴染み、形状変化は落ち着くはずです。

竣工検査では今現在スムーズかが分かれば大丈夫です。

チェック対象

玄関扉・建具・戸棚の扉・サッシ・シャッター

Point④固定はしっかりしているか

壁に固定してあるモノにぐらつきがないかどうか触って確認しましょう。

その際は少し強めに引っ張ってみてください。

それでガタつくとか緩んでしまうようであれば固定不備です。

特に手すりは固定不備があっては大きな怪我につながります。

ビスの打ち忘れがないかもみれるのであれば見ておくといいでしょう。

他にもタオル掛けや棚、ペーパーホルダーなどもチェックしてください。

また、固定とは少し違うかもしれませんが床鳴りについても確認しておきましょう。

これは歩き回っていれば気づきそうではありますが、意識を床に向けていないと気づかないこともあります。

しかし、意識をしていれば歩くだけの行動でも簡単にチェックができる項目なので是非試してみてください。

チェック対象

手すり・タオル掛け・棚・ペーパーホルダー・床鳴り

Point⑤モノの位置は適切か

「モノが図面と整合しているか」で述べたとおり図面通りに作られていることは大前提です。

しかし、図面通りに作られていても出来上がった状況と実生活を照らし合わせて見た時、意外と整合性の取れていない場所が見つかったりします。

例えば以下のような例があります。
  • 新しく買った家具を置くとコンセントが隠れてしまって使い物にならない。
  • 棚の高さが思ったよりも高くて使い勝手が悪い。
  • 冷蔵庫やベッドのマットレスを搬入できる有効幅がない。
建物側でどうしてもやりかえ工事をしなければいけないとなると、このタイミングで指示をしなければ引き渡しまでに間に合わない場合もあります。

やはり入居後に改修工事をするのは極力避けたいものです。

竣工検査では家具のレイアウトや生活をイメージしながら各部屋を見て回りましょう。

Point⑥設備機器の動きが正常か

電気・水道・ガスなどのライフラインが整っているか。

それに関連する設備機器が正しく動作をするか?

水道があれば蛇口を回してみたり、照明器具は全て点灯させてみたりしてどんどん試していきましょう。

いざ引き渡しを受けた後にライフラインに問題が生じていることなどがあれば大問題になります。

もちろんハウスメーカーも設備関係は重点的に点検をしているはずですが、念には念を入れ、自分の身は自分で守るようにしましょう。

チェック対象

キッチン・お風呂・洗面・トイレ・スイッチ・コンセント・照明・給湯器

竣工検査を気構えなく受けるためにしておくこと

工事途中に現場に足を運ぶ

施主は工事中に何度か足を運び、その段階で確認できることは先にしておくと良いです。

例えば以下の要領で確認をしておくのです。
  • 基礎工事では建物の配置を確認。
  • 建方工事ではサッシの取り付け位置を確認。
  • 内装工事では間仕切りの位置や形状を確認。
  • クロス工事ではクロスの種類を確認。
そしてここまでしておけば、竣工検査では仕上げの出来上がりチェックをするくらいで済みます。

逆に言うと竣工検査で建物の配置について打ち合わせと違うと言われても、なんともなりません。

ホームインスペクションに依頼する

施主が検査しながら家の説明を聞くのはなかなか難しいことは事実です。

しかし施主側の検査としてしっかりやっておきたいというお考えであればホームインスペクションを利用するのはどうでしょうか?

つまり、施主の検査を第三者機関に委託するのです。

費用はかかりますが、心配を抱えたままその日を迎えるよりは、施主側に立った検査を専門家にしてもらえるのであれば安心につながりますよね。

私の経験上では、竣工検査に第三者機関が同席したことはまだありませんが、もしかしたらこれからの時代、そのようになっていくのかもしれませんね。

最後に

最後に私の考え方をお伝えします。

施主にとっての竣工検査は建物の出来上がりを目の当たりにする最初のポイントです。

つまり、私にとっては施主に感動を与えることができる最後のポイントなのです。

なので「検査」という言葉に縛られて堅苦しくなるのが個人的にはすごく嫌なんですよね。

「検査」というニュアンスが強い竣工検査になるのか、「感動体験」というニュアンスが強い竣工検査になるのかは、それまでの工事で私が施主から信頼をどれだけいただけているかにかかっています。

私は現場監督として、竣工検査に至るまでの道のりでいかに施主に感動を与えられるか、そしていかに楽しく竣工検査を迎えられるかというところを課題として、これからも仕事をしていこうと考えています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

(おまけ)あなたがタダモノではないと思わせるテクニック

竣工検査で施主がこれをやったらスタッフに「おっっ!?」って思わすことができる技を紹介します。

簡単です。

室内に入ったら一番最初に一階の床下点検口をおもむろに開けて、中を覗き込むのです。

そして一言。「うん、きれいに掃除されているね。」と言うのです。

そうです。

床下点検口は施工者が、見えなくなってしまう部分にどのくらい気を遣っていたかが一目でわかるポイントなのです。

私も現場監督として最後の仕上げの検査の時には必ず最初に床下点検口を覗きます。

そして木屑が溜まっていたり明らかに掃除がされていなかったら指導の対象にします。

これを知っている施主だということを竣工検査開始直後に見せつけたら一気に緊張感が高まるはずなので試しにやってみてくださいね。


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