☆エアコン工事
今回はエアコン工事を計画する際のポイントと注意点をお伝えします。
知らずに進めると後々大失敗の元になります。
しっかり読んでくださいね。
☆エアコンの仕組み
エアコンは室内機(エアコン本体)と室外機、またそれを繋ぐ冷媒配管で1セットとなります。
あと室内の水分(湿気)を屋外に排出するためのドレン配管があります。
ドレン配管の先端は外壁から飛び出していて、夏場にエアコンを使うとその先端からポタポタと水がしたたり落ちます。
☆冷媒配管の穴
一般的なエアコン工事では冷媒配管を室外機に繋ぐため、エアコン本体裏側の壁に直径10センチほどの穴を開け、冷媒配管を通します。
つまり外壁に穴を開ける工事を行うのです。
実は、ここに大きな問題が発生します。
外壁に穴を開ける工事では、グルグル回転する刃を押し付けることで、壁を貫通させる「ホルソー」という工具を使うことが多いです。

ここで皆さんに考えていただきたいのは、外壁の内部には何があるのかということなのです。
そうです。外壁の中には柱やブレス(筋交)などの構造上重要な部分や断熱材があることはご存知ですよね。
あとからホルソーで穴を開けるということはそれらの重要な部分を意図せず傷つけてしまう可能性が大きいのです。
怖くないですか?
それを避ける唯一の方法があります。それは、
室内計画でエアコンの位置を決めておき、先に冷媒配管用の穴を新築工事の段階から設けておくこと
なのです。
☆室外機位置の計画
また、エアコンの計画を事前に決めておくもう一つのメリットは、
室外機の位置をあらかじめ考えておく事ができる
ということです。
室外機は意外と大きいので外構計画を立てる際も注意をしなければいけない要素なのです。

- 狭い通路に室外機があれば人が通れなくなる
- 室外機の目の前に植栽があれば夏場の熱風を受け、枯らしてしまう(例、隣地が畑であれば要注意)
- 室外機の目の前に塀が迫っていると風抜けが悪くエアコンの効きにも悪い影響が出る
などが注意をしなければいけない点です。
エアコンの計画を事前に立てることの重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか。
☆隠蔽配管(いんぺいはいかん)
「隠蔽配管」とはエアコンの冷媒配管を壁抜きして屋外に出せない場合の処置です。
新築工事の中で間仕切り壁内にあらかじめ冷媒配管を設置し、壁の内部に隠蔽するような形で通します。
しかし、これは本来おすすめはできません。
できればエアコン計画の見直しをおすすめします。
なぜか?
エアコンは電化製品なので消耗品です。
いつかは買い替えをしなければなりません。
同様に冷媒配管も消耗品と考えます。
それを壁の中に埋め込むのは得策ではないことは理解できるはずです。
冷媒配管については結露の問題もあります。壁の中で結露してしまってはカビの発生につながります。
部屋数が多くて、間取りの計画上、外壁に面しない部屋がどうしても必要な場合以外は採用しないようにしましょう。
☆天井カセット型エアコン
広めのリビングにデザイン性と風向性を考慮して天井カセット型エアコンの設置をされる方がいます。
確かにそのようなメリットはあります。
しかし先程述べたようにエアコンは消耗品です。
メンテナンスのコストやメンテナンスのしやすさなどの観点からすると戸建て住宅においては、あまり積極的に採用をすべきではないのではないかと考えます。

☆冷媒配管の経路
例えば、二階のエアコンの冷媒配管が外壁を伝い屋外の室外機まで通る経路を考えたことはありますか?
確認の仕方は簡単です。是非一度やってみてください。
設計図に「立面図」という建物の姿がわかる図面があるはずです。
これに以下の手順で書き込みます。
- 冷媒配管を通す穴の位置を書き込む
- 室外機の置かれる位置を書き込む
- それを線で結ぶ。
それが冷媒配管の経路です。
できればクネクネ曲がっているより、窓やフードや樋などが干渉しない状態でスッと下まで降りる方が確実に見栄えが良いです。
ただでさえ外壁を伝うものなのであまり目立たせたくないですよね。
もし冷媒配管がまっすぐ下ろせないような計画でしたら設計者に確認をとった方が良いです。
また、距離が長くなるほどエアコンの効きに影響が出ます。エアコンメーカーの推奨長さが決められているはずなので念のために確認をしておくといいでしょう。
あと冷媒配管は必ずカバーをつけてください。たまに古い家で冷媒配管が丸出しで設置されていてボロボロになっているのを見ます。
カバーをすると、見た目が良いということは言うまでもないですが耐久性が増します。
☆まとめ
最後にまとめると、エアコン計画は設計の段階からきちんと立てることが最重要です。
簡単に考えていると後から大失敗する要素がたくさんあります。
最初のステップとして皆さんも冷媒配管がどの経路で屋外に行くのかチェックをしてみましょう。
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