家の中のウイルス対策
家の中のウイルス対策【はじめに】
こんにちは。世間に大打撃を与えている新型コロナウイルス。
外出自粛やマスク着用などの対策をしながら毎日を過ごされていると思います。
現時点ではいつになるのか全く検討がつきませんが、やがて新型コロナウイルスの流行が落ち着くことを祈るばかりです。
この恐怖を体験した人々は、もしコロナウイルスが収束したとしても、今後発生するかもしれない未知のウイルスに対して不安を隠すことはできないはずです。
そうでなくても毎年のようにインフルエンザが流行っています。
実は今年の初めに私はインフルエンザにかかってしまいました。
その時にふと考えたことあります。
私たちはウイルス対策の観点で住宅を計画したことがあったか?
ということです。
確かに私の知る限り、施主サイドからも設計サイドからもウイルス対策を住宅の計画に盛り込んでいると聞いたことは一度もありませんでした。
今まではそれで良かったかもしれません。
しかし、多くの犠牲者を出している新型コロナウイルスを経験した私たちは、否が応でも家の中のウイルス対策を考察しなければいけなくなっていることは間違いありません。
この機会に、今まで建築業界ではあまり考えられていなかった家の中のウイルスに対する住宅のあり方を考えていこうではありませんか。
よろしければ最後までお付き合い下さい。
家の中のウイルス対策【新築計画で検討したい4つの方法】
方法①帰宅した時の動線を考える
ウイルスは家の中で発生するものではありません。
おそらくほとんどの場合は外から持ち込んできてしまうものです。
外から知らずに持ち帰ったものを何の対策もせず家族の居住スペースであるリビングに持ち込んでしまったら、感染拡大の第一歩となる可能性があるでしょう。
ですから、新築計画の間取りを考えるときは帰宅してからリビングに至るまでの動線計画をきちんとふまえて計画するべきでしょう。
では、想像してみてください。
帰ってくると、まずは手を洗いうがいをします。
その後、服を脱ぎ、場合によってはシャワーを浴びるでしょう。
そして着替えをしてリビングへ行くというのが自然な流れのはずです。
つまり、玄関→洗面所→脱衣室→浴室→クローゼット→リビングという動線です。
その動線の途中に家族の居室スペースであるリビングが入らないように計画をすることが大事です。
帰宅者が清潔になった状態でリビングに入るのであれば、そこにウイルスはないので家庭内クラスターの発生する可能性は少なくなります。
方法②玄関に手洗いを設置
外から室内に入るとき、特殊な間取りでない限り玄関ドアを開けますよね。
そのときには必ずドアノブを触るはずです。
では、その手にウイルスが付着していたらどうでしょう。
他の人がドアを開ける時にドアノブを介して接触感染が広がる可能性があります。
その対策としておすすめは屋外の玄関横に簡易的な手洗い機を設置することです。
外で手を洗ってからドアノブを触ればドアノブにウイルスが付着することは避けられます。
室内側への設置でも、ある程度の意味はありますが、その場合は家族全員が直接ドアノブには触れないようにするか定期的に消毒をするなど対策が必要になります。
日常動作での対策だとなかなか習慣化するのが難しいため適しているとは言い難いところです。
方法③洗面所のタオル掛けは予備にもう一つ設置
通常、洗面所にはタオル掛けが一箇所に設置されており、タオルを家族間で共有します。
しかし、同じタオルを使用することによる感染が懸念されます。
それを防ぐためにはタオルを分散しておいた方が良いでしょう。
まず、タオルリングでは一枚しかタオルをかけられないので採用せず、タオルハンガー(巾40センチ以上)を使うことです。
タオルハンガーであれば最低二枚を少し離してかけることができます。
家族が四人でしたら予備にそれをもう1セット設置しましょう。
例えばタオルハンガーを上下に分けて、上のタオルが下のタオルに掛からない間隔で設置したり、違う壁面に設置すれば効果的です。
⇩参考:タオルハンガー⇩
方法④換気設備を導入する
近年住宅の気密性が高くなってきています。
万一、ウイルスを家に入れてしまった場合は適切な換気をしないとウイルスを家の中に閉じ込めてしまうことになります。
現在24時間換気(2003年以降の住宅)が義務付けられており室内の空気を2時間に一回入れ替える換気量で計算されています。
ただ、24時間換気の換気扇の勢いは微小なものなのでウイルスを外に追い出すほどの力はないと考えられます。
ですので、各居室には排気用の換気扇を設け、非常時には部屋の空気を室外に排出できるような仕組みを作っておくといいです。
換気扇を設置するメリットがあります。
室内で暖房器具を使用する場合は一酸化炭素中毒を避けるために定期的に窓を開けなければならず、インフルエンザなどの患者にとってはめちゃくちゃ寒く耐えられません。
換気扇があれば適度に回しておけばよく、窓を開けなくて済みますし、防犯にもなります。
家の中のウイルス対策【感染した時のことを考える】
家族との隔離のあり方
そこまでの対策をしてもウイルスの感染を100%防ぐことはできません。
万一家族の誰かが感染した時のことも考えておく必要があります。
私も今年インフルエンザにかかり、寝室に隔離をされていましたが案の定、妻にも感染しその後は二人の子供たちにも感染が及んでしまいました。
インフルエンザを持ち込んでしまった本人としては、感染させてしまった罪悪感ももちろんありましたがその間、家族と接することができなかった寂しさもありました。
感染者は当然ですが家庭内で隔離をしなければなりません。
しかし、これから新築計画を進めるのであれば、完全隔離という発想ではなく各部屋にいながら家族の温もりを感じることができるような空間づくりを目指すのはいかがでしょうか。
例えば、リビングの一部を吹き抜けとし二階の部屋と接するように構成し、程よくリビングの声が部屋まで届くようにすれば隔離されている状態でも家族が近くいるように感じることができます。
食事をする時も部屋は違うけど会話はできるようにすれば孤独を感じることはありません。
トイレに独立性を持たせる
コロナウイルスやインフルエンザウイルスと並んでノロウイルスも脅威です。
ノロウイルスは排泄物や嘔吐物からの感染が知られています。
現代の住宅だと一階と二階にトイレを設けることが多いと感じます。
これはウイルス対策としてはとても理にかなっています。
リビングが一階の場合、二階のトイレはこのような非常時に独立性を持たせることができるので大変おすすめです。
感染者が在宅している場合は居室に近い二階のトイレを完治するまでの一定期間はその人専用のトイレとすると良いでしょう。
トイレの中には手洗いを設置するのが最善です。
トイレの中の菌はトイレの洗面で洗い流して扉のドアノブや室外に持ち出さないような処置をしましょう。
夫婦の寝室 ベッドを離す
我が家は夫婦が一つの部屋で寝ています。
夫婦は一つの部屋に寝るものだと勝手に思っていたからです。
しかし、インフルエンザにかかった時に思いました。
夫婦の寝室は別々にするのが良いのではないか?と。
なぜなら、寝室が同じの場合、夫婦のうち一人が感染した時に、もう一人は寝る場所を失ってしまうからです。
例えば、子供と一緒に子供部屋で寝るとしても子供が大きいと嫌がるでしょうし、夫婦はそれぞれ専用の個室を持っているわけではないですから、結局リビングのソファーで夜を明かすことになるでしょう。
それでは介護している側の疲れが取れず体力が消耗してしまいます。
それでも、寝室を別々にするのがどうしても難しければ、夫婦のうちの非感染者がぐっすりと仮眠できるくらいの部屋を作っておくと良いでしょう。
もちろん、仮眠専用の部屋ではなく、普段は書斎とか家事室として使う部屋をその時だけ代用すれば良いわけです。
家の中のウイルス対策【最後に】
いかがでしたでしょうか?
新築に家の中のウイルス対策を盛り込むという発想は、もしかしたらこれから研究されていくテーマなのかもしれません。
なので、ここでお話しした内容だけでなく、他にもきっといろいろなアイデアや対策が生み出されてくるでしょう。
計画の真っ最中の方はこのブログでお話しした内容も参考にしながら、担当の設計士さんと考えられる最善の策を練ってみてください。
まずは、この世界的なコロナ危機を人類が乗り越え、来るべき未来に備えることができるように一丸となって頑張っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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