住宅の設計者タイプ別【はじめに】
こんにちは。カントクパパ です。
ありがたいことに以前営業マンをタイプ別に分けて紹介したブログが好評だったので、今回は住宅の設計者バージョンをまとめてみることにしました。
以前のブログ⇩
そのブログでは営業マンとの相性が重要だと述べましたが、当然のことながら設計者との相性も重要です。
人々が望むマイホームの理想の形って多種多様にあるように設計者の考え方も多種多様にあります。
もしあなたのコンセプトがはっきりしていて、理想の設計者を探すことを最重要課題とするのであれば、コンセプトの合う個人経営の設計事務所に依頼をかけるのがベストです。
しかしハウスメーカーで家を建てると決めた以上はそうもいかないわけです。
あなたとマッチする設計者に当たればそれほど幸運なことはないのですが、なかなか難しいのが現状です。
設計打ち合わせを進めていく中で、どうも言いたい事が伝わらない、むしろ不安感や不信感を持ってしまっているという方はこのブログを読んでいただくとお役に立てるはずです。
このブログでは私がいつも仕事をしている設計者の傾向を5つにまとめ、攻略法となる対策を簡単に紹介します。
まずは一度、その対策を試していただき素敵なマイホーム を目指してください。
住宅の設計者タイプ別【傾向と対策】
①サラリーマンタイプ
特徴
とにかく安定を好む。無難な道をただひたすら歩き続ける。保守的。
余計な提案はしない。施主の意見のみを尊重する。真面目。
いいところ
施主の意見に沿った設計をする。反対意見を言われない。
自分の中で数種類の設計パターンが決められている。
限られた成功パターンだけを使うので、工事中に図面上の納まりが悪いなどのトラブルになることは少ない。施工者からは信頼を寄せられている。
悪いところ
面白みにかける。サプライズはない。淡々と事務的に打ち合わせが進んでいく。
ここはこうした方が良いなどの積極的な意見や提案はしない。
工夫のないシンプルな間取りになる事が多い。
対策
せっかくのマイホーム計画なのですから少しは冒険したり新しい提案に触れて驚いたりしたいところ。
だけどこのタイプの設計者は挑戦して失敗をしたくないタイプ。
無難と言えば無難ですが打ち合わせが盛り上がりにくいのです。
そんな時は施主さん側からガツガツ盛り上げにいっちゃいましょう。
ちょっとしたことでも「へぇ、すごい!」とか「いいアイデアですね!」とか設計者の気持ちを盛り上げてあげると、もしかしたらノリノリになっていいアイデアを提案してくれるかもしれません。
評価
- 技術力 ★★★☆☆
- 安定感 ★★★★★
- 発想力 ★★☆☆☆
- 責任感 ★★★☆☆
- マインド★★☆☆☆
- 個性 ★★☆☆☆
②芸術家タイプ
特徴
デザインや意匠的なところに強いこだわりを持つ。
設計コンペなどでも優秀賞をとっていたりする。
建築を生活の場ではなく芸術を表現するものだと捉えている。
いいところ
施主の思いもしないような発想を提案してくれる。
近所には決して無いような斬新な建物が出来上がるので、入居後注目される。
業界に設計者の名が知れていることもあるので建物がステータスになる。
悪いところ
デザインにこだわりすぎて、生活上の使い勝手に配慮していない事がある。
難解な図面ばかりを書くので施工班からあまり良く思われていない。
特注品を多用することがあり、装飾などにこだわればこだわる程かかる費用が膨れ上がることがある。
対策
ハウスメーカーの設計者としては希少なタイプです。
デザイン系の設計事務所にいるようなタイプなので会社内では異彩を放っています。
このタイプに当たったらラッキーと思った方がいいでしょう。
オリジナリティあふれる建物が出来上がる事が多いので、施主の最終的な満足度は高いと思います。
設計打ち合わせを成功させるコツは、最初から施主が自己主張をしないことです。
双方の個性がぶつかり合ってしまい物事がうまく進まなくなります。
初期段階は設計者に、ある程度自由に設計をやらせてあげましょう。
方向性が決まったら、そこから必要なものと不要なものを振り分けていく作業をするとスムーズです。
評価
- 技術力 ★★☆☆☆
- 安定感 ★★☆☆☆
- 発想力 ★★★★★
- 責任感 ★★☆☆☆
- マインド★★★★☆
- 個性 ★★★★★
③バランスタイプ
特徴
施主の要望を聞きながら、上手に正しい道に導いてくれるようなタイプ。
人の考えや気持ちを汲み取る事ができるため、人から嫌われることはあまりない。
ハウスメーカーの設計者の大多数がこのバランスタイプと思っていいです。
いいところ
人当たりが良いため気持ちよく打ち合わせを進められます。
提案を求めれば設計者なりのアイデアを出してくれます。
施主の家づくりへの情熱の量に応じて設計者のスタンスも合わせることができる。
悪いところ
人によって対応の仕方を調整してしまう。
ウマが合わないと消極的になり良い提案を積極的には出さなくなる。
自分で対応できないことまで安請け合いしてしまい、後々トラブルになることがある。
対策
施主があまりにも強権的になると萎縮してしまう人もいるので注意しましょう。
気が合えば打ち合わせも楽しくやれますし、工事中も気にかけて現場に足を運んでくれたりします。
うまくいくためにはやや友達に近いくらいのフランクな対応がちょうどいいバランスになるのでは無いかと思います。
評価
- 技術力 ★★★☆☆
- 安定感 ★★★★☆
- 発想力 ★★☆☆☆
- 責任感 ★★★☆☆
- マインド★★★★☆
- 個性 ★★★★☆
④情熱タイプ
特徴
机上に向かって仕事をする設計者の中では情熱タイプは珍しいです。
このタイプは設計一筋というよりも他の職種も過去に体験してきていて自分のキャリアに自信を持っています。
そのため幅広い知識を持ち合わせ社内の連携も取ってくれます。
施主に対してもリーダーシップをとってくれるので頼りになる存在です。
いいところ
経験をもとに理想のマイホーム像を示してくれる。
施主におすすめできないことははっきりと断ってくれるので安心して任せられる。
生活を快適にするための使い勝手の良いパターンを提案してくれる。
悪いところ
自己主張が強すぎる。感情的になりやすい。施主の意見でさえ受け入れないことがある。
意匠的デザインを無駄なものとして排除しようとする。
好き嫌いが激しく相手にもはっきり伝えるタイプなので敵を作りやすい。
対策
施主側の熱量よりも設計者側の熱量が強くなるとなかなか要望がしづらくなってしまうかもしれません。
なので情熱タイプに当たった時は覚悟を決めて施主も熱量を上げていきましょう。
これから建てる家はその設計者の家ではありません。
あなたの家なのです。
設計者に負けないぐらい勉強して、意見を戦わせるくらいの意気込みでいきましょう。
少し面倒くさい相手には見えますが懐に入ってしまえば、常にあなたの家を良くすることを考えてくれていることが分かります。
波長を合わせていけばきっと熱い家づくりができることでしょう。
評価
- 技術力 ★★★☆☆
- 安定感 ★★☆☆☆
- 発想力 ★★★☆☆
- 責任感 ★★★★★
- マインド★★★★★
- 個性 ★★★★☆
⑤秀才タイプ
特徴
ものすごく冷静。建築の知識の量と正確さは誰にも負けない。
建築基準法が全て頭に入っているような、いわゆる秀才です。
社内では、戸建住宅ではない特殊な物件などを任せられることがあります。
ただ、人見知りな面があり、人と接するのが本当は苦手な人もいます。
いいところ
頭のキレがよく、判断の一つ一つが的確。他の設計社員にも一目置かれる存在。
記憶力があり過去の打ち合わせのやりとりを全て覚えていてくれる。
落ち着きがあり、発言内容が的確なので施主にとってみれば安心感がある。
施主からの要望をきちんと理解して提案を数パターン用意できる。
悪いところ
打ち合わせは淡々と進んでいく。愛想がない。相性が合わないことがたまにある。
本人は意識をしていないのだが小馬鹿にされた態度を取られたと施主が感じることがある。
設計者の知能レベルが高すぎて説明を受けている内容が理解できない。
対策
秀才タイプと接する場合は相手に態度を合わせる必要があります。
あなたが萎縮してしまってはダメです。
また、このタイプの設計者はとっつきにくいですが設計者としては優秀です。
ウマが合わないからと言って設計者を変えてくれと訴えるのはもったいないです。
できれば、あなたがお客様であることをいったん忘れて、学校の先生に教えてもらうような態度で接するようにしてみてください。
設計者が説明したことを理解できなかったのであれば正直に「もう一度説明をお願いします」と言いましょう。
そのようなやり取りの中で自然とお互いに心を近づけていければ良い打ち合わせができるようになります。
いつも冷静でクールな秀才タイプの相手から笑顔を引き出せたのならもう大丈夫です。
評価
- 技術力 ★★★★★
- 安定感 ★★★★☆
- 発想力 ★★★☆☆
- 責任感 ★★★★☆
- マインド★★☆☆☆
- 個性 ★★☆☆☆
住宅の設計者タイプ別【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
設計者と一言で言っても様々なタイプの人間がいます。
そのどれに当たるか分からないのが不安なところですよね。
ここであげた5つのタイプだけでも、ほとんどの設計者のタイプに当てはまるはずです。
それに合わせた対策をしてみてください。
今後の設計打ち合わせを充実したものにすることができるはずです。
今回はここまでです。
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