はじめに
これから家を建てる計画がある皆さん。
もうすでに設計を始めている皆さん。
こんにちは。
順調に進んでますか?
今回はそんな皆さんに知っておいて欲しい住宅のインフラ設備に関してお話をしていきます。
どうぞ最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。
住宅のインフラ設備について
もうすでに設計を始めている皆さんは知っていると思いますが、皆さんが新しい家でどのように過ごすのかを検討しながら、そのライフスタイルにマッチさせるようにお家を設計していきますよね。
例えば間取りであったりキッチンやトイレの設備などが主な内容です。
そのような形を作る作業はしっかりやっているとは思いますが、意外とインフラについての計画が疎かになっていて、皆さんが後から後悔するパターンが結構あるんです。
そのようなことがないように今のうちに知識をつけておきましょう。
住宅のインフラの種類
インフラは基本的には屋外から供給する資源やエネルギーや情報などのことです。
具体的に言うと以下の通りです。
- 電力
- 水道
- ガス
- 電話
- テレビ
- ネット回線
現代の生活で必要不可欠なものを上で挙げましたが、将来的には不要になるものや新たに必要になるものもあるかもしれません。
しかしそれは当分先の未来の話になるので気にしなくていいでしょう。
インフラは地域や土地の状況により整備するための費用が大きく異なってきます。
つまり土地選びの段階からきちんと確認をしていかなければならない事項なのです。
今回はこの中でライフラインに関わる電力・水道・ガスについてお話しします。
土地を選ぶ時に注意すること
土地を選ぶ時に注意をしなければいけないことを以前もブログにまとめました。
興味があれば読んでください。→
もしかしたら、土地選びをしているときに、他に色々検討しないといけないことが多くて、インフラのことを後回しに考えている人が多いかもしれません。
でもそれは大きな失敗につながります。
このブログを読んで最低限のことは確認しておきましょう。
電力
一般的には敷地に接する道路に電柱があり道路並行に電線が通っていれば大丈夫です。
電柱がなければ電力会社に依頼をかけ、新しく電柱を設置してもらわなければなりません。
場合によっては高額な工事費用がかかることがあります。
ただし、最近は都心部などで地中埋設の電力線もありますので一概に言えない場合もあります。
そしてもうひとつ、電線から分岐し敷地内に引き込んでくるわけですが道路からの距離が長すぎると引込線が垂れ下がります。
垂れ下がった部分と地面との間の距離が4.0Mより少なくなる場合は、垂れ下がっている部分を引き上げるために中継用の電柱を敷地内に設置しなければならなくなります。
ですので、広すぎる敷地の場合は道路から建物位置までの距離を考慮した配置検討が必要です。
上下水道
電力と同じように前面道路まで公共の上下水道の本管が来てない場合は水道局に依頼し新たに作らなければなりません。
奥まった土地や人口密度の低い土地などは念入りにチェックしてください。
不動産業者および管轄の上下水道局に聞くのが一番確実です。
とりあえず簡単に見分ける方法は以下の通りです。
- 検討している土地に水道メーターのボックスが設置されていればOK。(上水道)
- 全面道路にマンホールがあればOK。(下水道)
また、エリアによっては下水道ではなく浄化槽を利用している地域があります。
そのような場合はいずれ下水道が通る計画になっている場合があったり、浄化槽は環境に良いので推進している地域があったりします。
一度管轄の役所に今後はどんな方針なのかを問い合わせてみることをお勧めします。
また、浄化槽は入居後に維持管理業者と契約をし法定点検を年に一回受けなければなりません。
それに費用がかかることを知っておいてください。
浄化槽内ではバクテリアが繁殖し生き続け、流れてくるものを分解する仕組みです。
バクテリアを全滅させないような使い方の知識が必要です。
流してはいけないものがあったり、注意点がありますのでいくつかお伝えします。
- 液体のままの油×
- 塩素系の洗剤×
- 大量の排水×(風呂と洗濯機の排水を同時に流すなど)
正常にバクテリアが働かないと悪臭の発生や衛生面での懸念が出てきますので注意してください。
都市ガス
オール電化を採用する方の場合は関係がない話になります。
しかし、実はオール電化は停電のような災害時に弱いと言われており、以前ほどには採用されていません。
私の請け負うお客様もほとんどの方がガス併用にされています。
個人的にはガス併用をお勧めします。
さて、ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」があります。
その違いは供給方法とガスの成分です。
供給方法の違いは以下の通り。
- 「都市ガス」は建物にガスの配管が接続されていてガス会社から直接供給を受ける。
- 「プロパンガス」はガスボンベを建物の横の保管庫に設置しそこからの供給を受ける。
成分が違いますのでガスが漏れた時の特徴は以下の通り。
- 「都市ガス」は天井付近に溜まる。
- 「プロパンガス」は床付近に溜まる。
現在65%ほどの家庭で「都市ガス」を使っているそうです。
ただ最近は「プロパンガス」が災害に強かったことを受け、あえて「プロパンガス」を採用する家庭もあるそうです。
ここで話を戻しますが、ここでは「都市ガス」の場合の土地選びの注意点です。
水道と同様にガス管も場所によっては敷地まで敷設されていない場合もあります。
不動産業者かエリア管轄のガス会社に直接問い合わせるのが確実です。
とりあえず以下の方法でも概ねの検討はつきます。
- 敷地内にガス管が入っている場所を示す杭が打ってあるならOK。
- 近所にプロパン用ガスボンベを設置している家がないならOK。
「プロパンガス」にする場合は、ガスボンベの定期的な交換の煩わしさがあったり、ガス店によってガス料金設定が違っていたりすることがあります。
皆さんが購入しようとする土地が都市ガスエリアだと分かったならば、「都市ガス」をお勧めします。
設計の際に注意すること
敷地内に水道やガスの配管がされていたとしてもまだ安心してはいけません。
建物計画の際に注意することをお伝えします。
電力
引込み線の位置を考えたことがありますか?
引込み線は上空を通り、建物の二階の外壁に飛びつきます。
通常、道路に面し左右どちらかの外壁に引込み口が設置されます。
まず、玄関の真上に引込み線が通ることを避けましょう。
これは主に意匠上の問題ですが住宅の顔である玄関の上はすっきりさせたいですよね。
次に、道路面側にバルコニーを設けるのであれば、バルコニーと干渉しない側の外壁に引込み口を設置しましょう。
バルコニーから引込み線が触れる位置にあると危険ですよね。
以上をふまえ、私の経験上、お勧めしたいのは引込み柱です。
敷地内に引込み柱を立てて引込み線を受けます。そして柱内部を通し地中を渡って宅内に通します。
そうすればだらんと引込み線が敷地上空を通ることがなくなり、すっきりします。
いかがでしょうか?
上下水道
1番の注意点は水道メーターの位置です。
水道メーターの位置は水道局に申請をしてしまうと変更ができません。
つまり、建物計画だけでなく外構計画を考察した上で適切な位置に水道メーターを設けることが計画段階から求められます。
また、排水計画も重要です。
高木植栽の真下に排水管を通していたら、いずれ植栽の根っこに破壊されます。
カーポートの柱が来るところに排水管があれば基礎が作れず、やりかえ工事が発生します。
特に外構計画と絡む内容が多いのが水道工事の特徴です。
注意してください。
ガス
ガスも水道と同様、メーターの位置と外構工事との関係を注意してください。
ガスメーターは検針員の見えるところに設置しなければいけません。
プロパンガスを採用する場合はプロパン置き場を作らないといけないので、その場所の計画を外構計画に取り入れる必要があります。
また、プロパンガスの場合はガスコンロもプロパン用を選択してください。
ガス警報機を設置する場合は都市ガスは上部にプロパンガスは下部に設置してください。
まとめ
主に電力・水道・ガスの計画までの間に注意しないといけないことを中心にお伝えしてきました。
まだまだお伝えしたらないところはありますが、今回はこの辺で。
電話・TV・ネット回線のことはいずれまとめたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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