はじめに
近隣クレームを題材にブログを書くって思いついたけど誰も興味ないよね??って考えながらキーボード叩いてます。(笑)
でも、現場ではこんなことが起きてるんだって知ってもらうのも、これから家づくりをされる方の心構えになるかもしれないと信じ、そのまま書き続けていこうと思います。
平穏だった住民の生活に入り込んでくる騒音や振動。
当然、工事を行うことでご近所の方にはどうしても迷惑をかけてしまいます。
なので事前に挨拶に行き、細心の注意をして工事を進めるわけですが、それでも思わぬことが原因でクレームが発生してしまうことがあります。
近隣クレームは定番(?)のものから理不尽にも思えるものまで様々です。
今回は私が体験してきた近隣クレームを発表していきます。
ぜひ最後までお読みくださいませ。
レベル1〜言われて当然。本当に申し訳ございません!レベル〜
先行外構工事で隣地との境目のCB(コンクリートブロック)を積む作業。
ついつい作業員が建築地からはみ出して作業をしてしまったらしい。
しかし、お隣さんの許可なくして敷地内に入ればレッキとした不法侵入。
きちんと謝罪をさせていただきました。
「作業時間は基本18時までです。」と近隣挨拶文に記載している以上、それを極力守るのが当然。
当人に聞くと21時ごろまで作業をしていたらしい。
次の日に予定があり、現場を休みたいから今日できるところまで進めていたそうな。
人によってはもう就寝をする時間帯。
同じ事を隣の家でされたら、それは私でもきっと怒るだろうな。
重機作業のある時は道路を一部塞ぐことが多いため、ガードマンを設置して作業をさせます。
でもそのガードマンのおじいちゃん、私が現場に行った時に分かったのですが、よそ見しているし耳が遠いから通行車両が近づいても全然気がつかない。
えー!オイオイ!(ㆀ˘・з・˘)
お願いですから、ガードマンたる最低限の役目は頑張って果たしてもらいたいところ。
その方はちょっと申し訳ないけどこの現場からは外させてもらいました。
だって危ないですからね。
ひえー!(´;Д;`)
そ、それは申し訳ございませんでした!!
オペさんに聞き取りをしたところ、クレーンの旋回範囲に余裕がなくて、仕方なく上空を通したとのこと。
いやいや、上空を通らなければいけないのであれば事前にその家の住民に説明の上、許可をいただくか他の方法を検討しなければならぬのでは!?
これは焦りました。。。
おー、それは。。。(汗)
すぐに謝罪に伺います。。。(汗)
そこのおうちの方は大変良心的で5センチほどの傷を補修してくれれば良いからと言ってくださいました。
作業者もわざとではないとは思うのですが、特に解体作業は慎重に慎重を重ねていただきたいものです。
これで怪我人でも出ていたらと思うと本当にゾッとします・・・。
その時は、ずっと更地だった土地に新築工事をしました。
もちろんその方は隣に家が建つ事を想定せずに、ずっと前にアンテナを立てています。
そして建築工事が進み階数が上がると新築建物でアンテナ電波を遮ってしまうために電波障害を起こしました。
この時はアンテナ工事店さんにすぐに行ってもらい、テレビが映るように調整をしてもらいました。
工事着工前に電波障害になりそうなアンテナがあるかどうかは慎重に見れば分かること。
それに私が気づいていれば事前に説明をすることもできクレームにならずに済みます。
この時は私の観察力がまだ未熟だったんですね。
あー、もうこれは防ぎようがございません。。。
だって現場には仮設トイレもあるし、空き缶をポイ捨てしてはいけないってことは常識だし。
つまり、その作業員のマナーが低いってことです。
現場監督は建築現場で働く作業員のマナーがそこまで低いなんて思っていないし、それを教育する義務もありません。
残念ながらそういう最低限のマナーも守れない作業員は、いくら良い仕事をしてくれていても今後その現場には立ち入り禁止としました。
当たり前のことですが建設業界の悪い印象はそういうところから派生していくんですから。
謝りに行ったその先でその方と「ごもっともです。私も許せないです。」って意気投合するしかありませんでした。
レベル2 〜それはそれは、すみませんでしたねレベル〜
うん。近隣の方全員が良心を持ち合わせていることなんてあり得ないんですよね。
挨拶に行ったからってそれを快く「お互い様だから」って受け止めてくれる人ばかりではないということです。
工事をすれば音も出るし振動も起こる。
だから迷惑をかけますが辛抱してくださいね。っていう意味で挨拶に回ってるんです。
それを受け止めてくれなかったってこと。
配慮をすることはできますが、工事を止めることはできません。
そこは現場監督としてはっきり言わないといけないんです。
こういう人は弱みを見せるとつけ込んできますから。
古くからある土地を建て替えるときに隣地の境界を示す杭がずれていたり、入っていないことがあります。
通常ですと確定測量をして測量士さんに境界杭を入れてもらいます。
しかし確定測量にかかる費用を抑えるために、そのまま工事を進めようとする営業や施主がいます。
そうすると、隣地の住人から境界杭はここであっているかどうか確かめて欲しいと言うクレームが入ります。
私からしたら確定測量をするのは当たり前です。
もし、そんなの費用がもったいないからやらなくていいですよっていう営業マンが担当者でしたらその人はあなたの将来のことは何一つ考えていないってことです。
まぁ、そうですよね。
解体工事でホコリが出ないことはないですからね。
散水をしながら解体はしてもらってるんですが完璧ではないですよね。
そういう方に対しては水洗い洗浄を解体工事屋さんにしてもらいます。
でもその方、「ウチが手配したクリーニング屋を入れるからそのクリーニング費用を支払え」と法外なお金を要求してきた。
それは受けかねますと丁寧にお断りしました。
隣の並びの住民からのクレーム。
とはいえ、この並びの敷地で建物を建てるとだいたいこういう形になってバルコニーの位置も揃いますやん。
先に建てた人の優位性をバリ出しにしてこられますやん。
とは思ったものの、その時は施主様と相談して目隠しパネルをバルコニーのサイドにつけさせてもらいました。
まぁ、私が願うのは担当したお施主様が末長くそこで幸せに生活をしてくれることですので、この場合はこのような対処法が最良の解決方法だったような気がします。
レベル3 〜えぇー、この人何ゆうてんの?レベル〜
え?E?絵?
何ゆうてるんでしょうか?
うちの現場はまだ基礎工事ですよ。
型枠もパネル使ってますし、釘なんか一切使っていないはずです。
一応その日の夜にその方に会いに行きました。
パンクしたというタイヤを見せてもらいました。
うん。確かに釘が刺さっています。
その人はわざわざ抜いて見せてくれました。
・・・サビサビの釘を。
「うーん。大変申し上げにくいのですが、新築工事でこんなサビサビの釘は使わないはずです。。。
絶対とは言い切れないですけど、おそらくこれはウチの現場で使っている釘ではないと思われます。
それにこれがウチの現場の前を通った時に刺さったという確証は何かあるんでしょうか?
ちなみにパンクに気づいたのは遠く離れた仕事場とおっしゃっていましたが。」
その人はハッとした顔で「・・・ならいい。まぁ、すぐに来てくれたその対応は良かったから許す。」
何を許されたのかよく理解できなかったが、とりあえず一見落着した。
電話越しに一方的な口ぶりで怒鳴りつけてきた。
その方の敷地は今回の建築地の北東角。
確かに冬至には一番長い影を落とす方角だ。
ただ、もちろん計画の法的な問題点はなく、そこに新築を建てる事を阻止される筋合いもない。
一体何を理不尽な事を言っているんだろう・・・。
そう思いながら説明をするために日影図(建物から落ちる影の軌跡を記した図面)を用意して会いにいった。
説明をするのと同時に話を聞いていると、思いもよらずその人の気持ちに少し同情することとなった。
その人によると10年ほど前、説明もなく西隣にいきなり4階建てのマンションが建設され、まともに影を落とされたそうな。
それまで庭に干していた洗濯物も乾かなくなったので、二階のベランダまで干しに行くことになってしまい生活にも支障が出て苦労したと。
確かにそれは酷い話。
でも今回は安心してください。
新築工事は平家建てですし、影の長さもこれくらいですのであなたの家に影を落とすことはありませんよ。
そう伝えると、それなら大丈夫です。と少しホッとした表情を浮かべてくれた。
建築地は傾斜の大きい坂道の上の敷地。
その下の敷地の人からのクレーム。
土地間の高低差をコンクリート擁壁で土留している。
通常コンクリート擁壁には水抜き用の穴がある。
降った雨水が土に染み入り飽和状態になり、その水圧が擁壁にかからないようにするための措置。
そりゃ、そこから水はあなたの敷地に垂れますわ。
いや、わかりますよ。その水が生活雑排水だったら嫌ですよね。
それは私でも嫌です。はい。
でも雨の水ですよ。
自然と空からどの家にも降り注ぐ、雨の水ですよ。
何度も話し合いをしましたが、その方と価値観の押しつけ合いで結論は出ず、平行線となるだけでした。
結局、「では、この擁壁の開発許可を出した行政に申し出てください。」って言ってその場を切り抜けました。
その後どうなったのかは分からないままです。
近隣挨拶に行った時、上品でおとなしそうな隣の奥様にそう言われました。
いや〜、これは困惑しましたね。
たかがペットですか?とも言えないですし。
でも工事は音が出るものですし…。
ちなみに、そのペットとはウサギです。
確かに臆病だとは聞きますが。。。工事の音で弱って死んだって話は聞いたことがない。。。
施主様も一緒に回っていましたが、明らかにちょっと引いていたのが分かりました。
念の為、その方の家側のみ、足場のネットを防音シートに変えて対応しました。
もう工事は終わっていますが、そのウサギちゃんは無事生きているんでしょうか?(苦笑)
最後に
いかがでしたか?
私が体験した近隣クレームを一挙公開してみました。
並べてみると本当に色々なクレームがあることが分かりますよね。
まだまだ他にもありますが今回はここまでとします。
読んでいただいた通り、クレームと言っても本当に迷惑をかけてしまったものから、え?っと思えるような理不尽なものまで様々です。
私は現場監督なので、施主様の今後の新生活に影響を与えないように最大限の努力をしていきます。
でも、世の中にはいろんな価値観の人がいて、その全ての方に合わせることはできません。
解決できないクレームもあるのです。
その都度ストレスを感じていてはきっと精神的に参ってしまいます。
最初に近隣クレームをブログにして何の意味があるのかわからないと書きました。
しかし、もしかしたら唯一、私のストレスのはけ口にだけはなるのかも知れませんね。(笑)
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