新築のシックハウス症候群【はじめに】

こんにちは。カントクパパ です。

こんにちは。カントクパパ さん。
ちょっと悩みを聞いてもらえませんか?

もちろんです。どうされましたか?

マイホームを計画中なんですが、うちには小さな子供がいまして、アトピーや喘息持ちなんです。
もし新しいお家が原因でシックハウスになったらと思うと心配で…。
新築を建てる際にシックハウス症候群対策ってどんなことをしたらいいのでしょうか。

なるほど。それは心配ですね。
では今回は新築のシックハウス症候群のことについてお話をしていきますね。
新築のシックハウス症候群【症状】

ところで、シックハウスってご自身では経験されたことはありますか?

うーん。
その時はあまり気にしてなかったですけど、古いお家に行ったりすると頭が痛くなったり鼻水が出てきたりしてましたね。
そう言えば、地元の公民館が昭和の建物なので行くたびに同じような症状になっていたわ。

まさにそれがシックハウス症候群です。
人によって影響を受けやすいかどうかは様々ですが、他にも目がチカチカしたり、喉の乾燥を覚えたり、ひどい時は吐き気や湿疹が発症することもあるようです。

それが建物の影響だなんて恐ろしいですね。

そうですね。
似た症状で「化学物質過敏症」という病気もあるのですが、シックハウス症候群とは少し違います。
シックハウス症候群の方は建物から一歩外に出れば症状が治る場合がほとんどです。
「化学物質敏感症」の場合は継続的にその症状が現れます。
しかし、シックハウス症候群も、微量の有害物質を継続的に摂取してしまうと気づかぬうちに症状が悪化してしまうことがあります。
そして「化学物質過敏症」に至る約60パーセントの方が最初の原因はシックハウス症候群だとも言われています。
新築のシックハウス症候群【原因と対策】

建材からの有害物質の放散以外にもシックハウス症候群になる原因があるんですか。

はい。
先ほどの例のように公民館などが建てられた当時はシックハウス症候群という言葉も存在しない時代だったので何も対策が取られていない建物だと言えるでしょう。
つまり、その例を見ても建材から発生する有害物質の放散量を減らすことが必要だということは明白です。
しかし実は建材からの有害物質の放散の他にも原因はあります。
それはダニやカビによる人体への影響です。
ダニやカビの発生抑止対策がされていない室内では同様の症状が発生することもあるんです。

なるほど、では毎日の掃除をしっかりやることもシックハウス対策の一環と言えるわけですね。

その通りです。
カビやダニ対策としては
- 換気をしっかり行う。
- 布団などを天日で干す。
- シックハウス対策がされている空気清浄機を使用する。
これらのことに注意して生活をするといいでしょう。
それと窓の結露はそのままにしないようにしてください。
湿気はカビの発生原因になってしまいます。
ここまでお話ししてお分かりいただけたと思いますが、シックハウスの危険がある建物は古い建物に限ったことではなく、新築でも起こりうることなのです。

生活上気をつけることは理解しました。
では新築を計画していく上での注意点や対策はありますか?

はい。
現在主流の建物は省エネの観点から高気密・高断熱で作られています。つまり、昔の建物に比べると空気がこもりやすくなっており適切な換気設備を設置しないと空気汚染につながりやすいということが言えます。
なので、換気のしやすい窓を設けること、日光を取り入れやすい間取りにすることなど計画上の注意点はありますね。

なるほど。
昔の住宅は今とは逆に隙間風が入り込むくらい気密性が低かったわけですもんね。
つまり室内に空気がこもりにくい条件が揃っていたんですね。
では、室内環境が変わった今は建材についてはどのようなことに注意したらいいでしょうか。

平成15年7月以降の新築工事では建築基準法が改正され発癌性のあるホルムアルデヒドの使用禁止や4VOC(揮発性有機化合物)と言われるトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの使用制限が制定されています。
また換気設備の設置義務やシロアリ駆除剤に含まれるクロルピリホスの使用の禁止なども制定されています。
使われる材料自体は法の基準に基づき安全なものになってはきています。

すでに法律が改定されていれば安全ね。
それはよかったわ。

ただし、そうとも言い切れないんです。
国の基準は最低限の基準です。
過度に敏感な方には通用しないこともあるかもしれません。
また、材料としてはきちんと制定されていますが、実際に現場で職人さんが使用する接着剤や防腐処理剤の中には有害物質が含まれていないとは限らないんですよ。
つまり、建材が法基準をクリアしていても使用する溶剤にまで気をつけていなければ完全ではないということです。
これは施工会社が工事管理をきっちりしておかなければいけない部分ですね。

確かに。接着剤とか塗料、溶剤などの化学物質は体に悪そうですよね。
それが使っていい溶剤なのかどうかはどのように判断するんでしょうか?

まずはそのパッケージにJISやJASにおける等級(F☆☆☆☆)が記載されているかどうかをチェックすることです。
F☆☆☆☆はエフ・フォースターと呼び、ホルムアルデヒドの放散の値が低いと☆の数が増えます。
つまりF☆☆☆☆と記載されていれば一番安全性が高い最高等級の材料ですので安心していいでしょう。
※ F☆☆やF☆☆☆でも規定の使用制限範囲を超えていなければ使用できます。絶対に使ってはいけないわけではないのでご注意ください。

工事着手前に念のため担当者に確認してみようかしら。
あと、工事中も足を運んでF☆☆☆☆の材料がちゃんと使われているのか確認しなきゃいけませんね。

そうですね。そこまですればご自身としても安心できますね。
最後にもう一つアドバイスを。
ご入居に合わせて新しく家具やカーテンを購入されると思いますが、その家具やカーテンもシックハウス対策が取られているものなのかちゃんと確認してください。
「室内環境配慮マーク」(一般社団法人日本家具産業振興会)が貼られていれば安心して良いでしょう。
家の建材と違って直接手で触るものであったり生活に近いものであるからこそ安心・安全なものを選ぶようにしてくださいね。

はい、ありがとうございました。
小さな子供が安全に暮らせるような環境を作るのが親の役目。
工事中も生活が始まってからもしっかり管理していきたいと思いました。
今日はありがとうございました。

いえ。素敵なお家が出来上がることを心から祈っております。
ありがとうございました。
新築のシックハウス症候群【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
本日はシックハウス症候群についてまとめました。
アレルギー持ちの方などは新築工事を立てる際に大変気になりますよね。
現在、ほとんどのハウスメーカーは建材の選定や換気設備の工夫などをしてシックハウス症候群対策がされております。
ただ、手放しで安心することは避けた方が良いでしょう。
ご自身でも調べ、ハウスメーカーにも確認し、対策をとっていくことが重要なのです。
厚生労働省からもシックハウス対策のHPが作成されていますのでご覧ください。
それでは今回はここまでといたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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