上棟式する?しない?【はじめに】
建て方工事が始まり、いよいよマイホームが立体的になってきたのではないでしょうか?
この辺りまでくると施主としてふと悩む事があります。
「上棟式ってしなくていいの?」「そもそも上棟式って何するの?」
という疑問や悩みです。
今回はそんなあなたに上棟式についてお話ししていきます。

上棟式する?しない?【やる人の割合】
上棟式をする人の割合は地域によっても差が出ると言われていますが、私の実感としては約8割くらいの方が上棟式をやらないです。
まず、地鎮祭前後に上棟式を意識している方は約半数近くいます。
なのに、上棟式を実際にするという方は結果的に約2割に減ってしまいます。
つまり、「意識してはいたが実際には上棟式をしない」という傾向にあるようです。
ではなぜ、上棟式をしない施主が多いのでしょうか?
たくさんの施主と家を建ててきた経験から自分なりに分析してみます。
よく聞かれる上棟式をしなかった理由としては
- お金がかかる。
- そもそも上棟式をする意味がよくわからない。
- その地域には上棟式をする風習がない。
- 親戚からも上棟式をしたと聞いた事がない。
- する意味を感じない。
- 面倒臭い。
という感じです。
それぞれごもっともな意見です。
その意義を感じなければお金をかけてやろうとはなかなか思わないですよね。
では、ここで皆さんに上棟式とは何かをお伝えします。
それを知っていれば上棟式をするかしないかの判断がしやすくなるのではないでしょうか。

上棟式する?しない?【その由来】
では上棟式の由来はどこからきているものなのかを考えていきましょう。
その昔は棟梁と呼ばれる大工の親方がいました。※現代では一般的に宮大工の親方を棟梁と呼びます。
棟梁が建物の基礎から屋根・内装に至るまでの全部を管轄して施工をしていたそうです。
その工程の中でも建て方工事は家造りのハイライトとも言える工程です。
そして上棟、つまり、最上部の棟木と呼ばれる部分や棟梁をあげる工程になった時、いよいよクライマックスを迎えることになります。
重機などもない時代、その時ばかりは施主も含めて家族総出で梁を上げる仕事を手伝ったそうです。
そして建て方工事が全て完了した時に、参加者全員で労をねぎらい、お疲れ様会を開いたそうです。
その後、時代が流れ、お疲れ様会と合わせて今後の家族の幸せや発展を祝うとともに工事の安全を祈願するという儀式的なものに発展していったのです。
棟木には地鎮祭のお札(ふだ)をくくり、関係者には御祝儀を渡しました。
以上が上棟式の由来です。
つまり上棟式とは、施主が棟梁や職人さんをねぎらい、家族の幸せや工事の安全を願う儀式なのです。
しかしながら、今現在では機械の発達により、作業は職人さん達だけで十分行えるようになりました。
お手伝いをしなくてもあなたのマイホームは職人さんの手によって完成に向かっていきます。
由来だけを聞くと、現代の上棟式の意味合いが薄れていることは明白だとは思います。
ではなぜ、それでも上棟式をする施主がいるのかを考えてみましょう。
上棟式する?しない?【今でもやる理由】
上棟式をする方は次のようなことを理由としている場合が多いです。
- 地域がら上棟式をする風習が残っている。
- そもそもするものだと思っている。
- 地鎮祭の時に預かったお札を目の前で上棟して欲しい。
- 職人さんにお礼を言いたい、祝儀を渡したい。
- 気持ちの上で上棟式をしなかったことを後悔したくない。
- 儀式として。
- 餅まきをして近所の方に認知されたい。挨拶したい。
など、様々な考え方があるようです。
つまり、現代では施主それぞれの上棟式への考え方があって、それぞれのオリジナルなやり方があるようなのです。
上棟式する?しない?【やり方、流れ】
先ほど述べたとおり上棟式に決まったやり方があるわけではないです。
ただ、それではこのブログを見ていただいてる方に申し訳ないので、私がいつもお客様にご案内している上棟式の流れをご説明していきます。
参加者。
- 施主様ご家族
- 工事店からは建方工事・内装工事・電気工事・水道工事の各代表者1名ずつ
- ハウスメーカーからは営業担当・設計担当・現場監督
施主持ち物。
- 地鎮祭の時に預かった上棟幣(おふだ)
- 洗米(小皿に乗る程度)
- 塩(小皿に乗る程度)
- 清酒(小瓶)
- 小皿
- 参列者への手土産
上棟式の流れ。
- 開式の挨拶(現場監督)
- 参列者一人ずつ祭壇に向かって二礼二拍手
- 四方祓い ※施主が屋外に出て建物の四角(北東の角から時計回り)に米塩酒を撒く
- 上棟 ※上棟幣を棟木に設置してもらう
- 上棟幣に向かって全員で二礼二拍手
- 参列者紹介
- 施主様ご挨拶
- 乾杯の挨拶(ハウスメーカー営業担当)
- 閉会の挨拶(現場監督)
という具合です。
私が担当する場合は司会進行を現場監督である私がやっています。
参列者への手土産の例。
- お祝儀 ※金額の相場は地域によって違うので事前に現場監督にこっそり聞くのが良いでしょう。
- 仕出し弁当 ※注意点としては夏場は食中毒の危険があるので要検討です。
- お酒やお茶などの飲み物 ※乾杯の時に使います。最近はノンアルコールの日本酒も売っています。

上棟式する?しない?【まとめ】
ここまで上棟式をするかしないか、上棟式をする場合の流れなどをお話ししてきました。
結局のところ、上棟式をするかしないかは施主の判断に委ねられているのです。
個人的な意見を述べると、私は上棟式推進派です。
なぜなら上棟式をすることで施主と職人が直接出会い、話を聞き、お互いの人柄を知る事ができるからです。
その意義はモノ作りの世界においては計り知れない職人の原動力となります。
だからこそ、どんな形でもいいので上棟式という絶好の機会を利用し、あなたがどんな気持ちでこの家を建てたいと思っているかを職人さんに熱く語って欲しいのです。
共感した職人さん達の力で、きっと理想の家が現実のものになることでしょう。
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント
上棟式のことは皆さん気にかけていますがどういうものなのかわからずやらない方がほとんどです。
このブログを見てイメージがわかればやるかやらないかの判断がしやすくなります。
是非読んでみてください。