【コラム】ハウスメーカー不信。クレームをなくす唯一の方法とは。

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コラム
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「ハウスメーカーでは絶対に建てるな。」と言われる背景。

これから家を建てようとしている方々に今一番伝えたいことがあります。

それは、溢れかえる情報に簡単に振り回されてはならない。

ということです。

近年、雑誌やネットやYouTubeなどで「絶対にハウスメーカーでは家を建てるな」という煽り記事が乱立している。

職人さん・現場監督その他大勢、建設業に関わるみんながこんなに頑張ってるのに、なぜ…。

一体その背景はなんだろうか。

疑問に思い、その動画やネット記事を色々自分なりに調べていました。

そして、分かってきたことは、ハウスメーカーという業界全体をひとくくりに批判するには値しないだろうと思われる記事情報が、ほとんどだということでした。

あえて言うのであれば、工事完了後いくつかの欠陥が実際に発見されたり、営業担当者の不誠実な対応などで苦しんでいる方々が確かに存在していることは間違いない事実です。

その苦悩を施主が訴える記事があることは必然だし、全く問題はないと考えています。

ただ、だからと言って結論付けが「ハウスメーカーで頼んだからそうなったんだ」とした上で「だからハウスメーカーで家を建ててはいけないんだ」と言う論調だとしたら、私には少し無理があるように感じたのです。

大手ハウスメーカーを批判すれば一定数の消費者や読者から注目を集めることができるし、ハウスメーカー叩きの風潮に乗り批判すればその著者が善人扱いされていく。

このような発信者側の意図があることを少なからず感じられずにはいられなかったのです。

まさに政治家や総理大臣を批判したり、不倫した芸能人を徹底的に叩きのめすワイドショーと同じ構図と言っても過言ではないのです。

私はハウスメーカーに所属している現場監督です。

そのような記事を目の当たりにすると大変悲しくなります。

だからと言って、皆さんは誤解をしないでください。

「だからハウスメーカーの家を買ってください」なんて言うつもりは全くありませんので。

むしろ、私の持論は地元工務店やハウスメーカーや建築士事務所など、どこに依頼してもらっても全然構わない。

つまり、施主である皆さん自身がきちんと情報の本質を読み取り冷静に判断して決めて欲しいのです。

最終的にどこに依頼をするかは皆さんが責任を持って判断してくれることを願ってます。

私がブログを書く目的。

なぜ私が「マイホームチュートリアル」というブログを書きだしたかというところから話を進めていきましょう。

ブログの目的は私の勤務しているハウスメーカーの宣伝とかハウスメーカーを推奨するなんていうことでは全くないことは先ほども述べました。

その証拠に所属しているメーカー名を一切明かしていないし、ご自身で判断して決めるべきだと主張しています。

私がブログを書く目的はたったひとつ。

一生に一度の家づくりを施主が心から楽しんで満足してほしい。

ただ、それだけなのです。

綺麗事に聞こえるでしょうか?

…かもしれません。

批判されている側の人間の発言となれば耳を傾ける人も少ないでしょう。

でも、よく考えてください。

まさにその家づくりの本質的な理念が、これから家を建てる皆さんもそして家づくりをしている私たちも共通して目指すことができる唯一の目標だということを。

トラブルが発生した時に毎回思うこと。

私はこれまでにたくさんのお客様と接してきました。

中にはトラブルが生じたり、気持ちのスッキリしない引き渡しを迎えることになってしまったお客様もいました。

その度に思うことがあります。

もし、契約前の段階でお客様と出会い、はじめから基本的な建築の知識をお伝えすることができていれば、このような結果にならなかったはずだと。

だから私はブログという形でお客様をペルソナと位置づけ、発信を始めたのです。

住宅業界はクレーム産業??解決の糸口は?

近年ですとクレームという言葉自体が、発信した相手を侮辱する言葉とされタブー視されますが、ここでは分かりやすいのでそのままクレームと言います。

確かに住宅業界はクレーム産業と言われているようです。

業界で働いている身としては情けない反面、悔しい思いでいっぱいです。

完全に自分の意思や理念に反した評価が世間から下されていることや、施主のために時には自己犠牲を伴いながら現場で一生懸命働いてくれている多くの技術者の方々のことを考えると、胸がつまる想いです。

そう言うと、だったら組織構造の改革を行いクレームが無い業界にすればいいじゃないか、というご意見が出るでしょう。

それは、もっともです。

しかし、問題はそこだけではないということに注力していきたい。

実はそこに関わる人々の気持ちやモチベーションに潜在的な問題が隠れていて、問題解決の第一歩となる糸口がそこにはあるということを私たちは知らなければならないのです。

つまり、それぞれが今までの意識をほんの少し変えてあげるだけで、もしかしたら人々に家づくりという夢を与える本来あるべき業界の姿に変わることができるかもしれないのです。

クレームの種類。

クレームは主に「施主からのクレーム」と「近隣からのクレーム」の二種類です。

近隣からのクレームについては今回は割愛します。

なぜなら工事で発生する騒音・振動・車の往来などにより、無利益な近隣の方々に確実に苦悩を強いているのは明白で理解を得られない場合はクレームが発生することは当たり前だからです。

ここでは施主からのクレーム要因を考えていきましょう。

大きく分けて書いたので具体性に欠けるかもしれませんが、下の項目に集約されると思います。

  • 営業の不誠実さ
  • 設計ミス
  • 打ち合わせ内容と現場の不整合
  • 現場管理不足
  • 施行ミス

クレームは施主と営業担当者、施主と設計担当者、施主と工事担当者の間で発生しています。

これは施主とスタッフの間に潜在的に存在する溝が明白になった時にクレームになると表現してもいいのではないでしょうか。

溝を埋めるためには。

では、クレームをなくし、先ほどお伝えした家づくりの本質的な理念に施主からも施工者側からもアプローチできるようになるにはどうすればいいかを考えます。

それには潜在的に存在する溝をきちんと埋め戻しする作業が必要です。

どういうことかをもう少し説明していきます。

各登場人物の間には立場の違いから生じる様々な潜在的な溝があると考えてください。

  • 施主ー建築初心者。知識がない。理想が高い。消費者意識。失敗したくない。
  • 営業担当者ー売上成績をあげたい。ノルマを達成したい。嫌われたくない。
  • 設計担当者ー時間的余裕がない。認められたい。設計ミスをしたくない。
  • 工事担当者ー工期が短い。予算が足りない。無難に納めたい。近隣クレーム。

私がここで使っている「溝」という表現は各関係者それぞれのどちらかと言えば内向きな思考のことです。

全員がそれらを放置していたらその溝が一向に埋まらず、いずれクレームとなることでしょう。

クレームをなくす方法。

繰り返しますが、クレームをなくす、つまり発生させないためにはその溝をみんなで積極的に埋めていく作業が必要です。

溝を埋める方法はたった一つ。

全員が内向きな思考をやめ、理想の家づくりを目標に掲げ全員のベクトルを合わせること。

そしてそれぞれが意識的に家づくりの本質的な理念という目標に向かうことなのです。

申し訳ないのですが、それは施主である皆さんも同じように協力してもらう必要があります。

そうすれば潜在的な溝が薄らいでいき気が付きたら徐々に埋まっていくでしょう。

これを読んだみなさんからは単なる精神論だって嫌悪感を抱かれるかもしれませんね。

でも。おっしゃる通り、確かにこれは精神論なんです。

家作りは人が要です。

最後は人であり、人の精神力、モチベーションが作り上げるものなのです。

精神論を無視して家作りを考えているのであれば、決していいものは完成しないと考えます。

まとめ

正直に言うと、私が言葉足らずで言いたいことの本質がうまく伝えきれておらず誤解を与えてしまうのではないかと心配し、このブログの公開をためらっていました。

でも、皆さんが家づくりの本質的な理念を叶えるためには伝えるべきだと公開を決意しました。

ご理解いただきたいのが、施主に知識をつけろと強要しているわけではないということです。

スタッフを完全に信頼しすぎて皆さんが受け身になっている状態では溝が埋めきれない場合があるとイメージして欲しいのです。

ただ、やはり皆さんには少しでも無理せず建築知識をつけていただきたいという想いもあります。

このブログ的に言います。

施主側からも積極的に溝を埋めにかかってください。

原理を言えば、施主がお金を支払い、その対価としてビルダーが建設を行います。

本来、そこにいる両者に上下関係はありません。

全員が家を無事完成させるという最終地点に着くまでの仲間であるという意識を持って欲しいのです。

過去のブログでも施主である皆さんに知っておいてほしい知識をできるだけわかりやすく解説しています。

この機会に過去ブログをぜひ読んでください。

今回はここまでとします。

最後までご熟読ありがとうございました。

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